中国緑茶 太平猴魁の新茶2種類入荷

[2017.06.10] Written By

太平猴魁が入荷しました。今年は非常に質が良かったため、通常のグレードに加え、特貢グレードも入手しました。

蘭の花を連想するようなフローラルな香り

太平猴魁は安徽省を代表する緑茶です。茶葉は全長が長く扁平な形状をしており、一見するとまるで押し花のようです。この外観ゆえに太平猴魁は特別に大きなお茶の葉を加工していると思われがちです。しかし実際に太平猴魁に用いられる茶葉は、他のお茶と大きな違いはありません。太平猴魁の独特の外観は、茶葉が比較的大きく成長してから摘まれ、特殊な揉捻方法が用いられるゆえです。揉捻は他のお茶のような回転運動で揉むのではなく、押し花のように茶葉を並べた上からローラーで加圧します。この方法ゆえに、茶葉が丸まらず、そのままの形状が維持され太平猴魁独特の形状に仕上げられます。

中国の緑茶を全体に見回すと、小さく、若い内に摘まれた茶葉から作られる銘柄が多いですが、私は個人的にあある程度成長した茶葉から作られたお茶が好きです。茶葉が若すぎると、旨味はある物の、花の香りや余韻が少なく、飲みごたえの少ないお茶になります。その点、私にとって、太平猴魁の茶摘み規準は理想的です。茶葉がある程度成長することで、スッキリとした味わいと、蘭の花のようなフローラルな香りをともなうまるで清香タイプの烏龍茶を連想するような飲みごたえのあるお茶になります。特徴的な形状をしていることから一見「特殊性」、「珍しさ」が売りのお茶のように思われがちですが、香り味共に非常に素晴らしく、私にとって、一日中飲んでいても飽きないお茶です。特に日本茶や台湾の高山茶を好まれるお方に強くお勧めします。

2種類のグレードを発売

今回2種類のグレードを発売します。通常のグレードに加え、特貢グレードを仕入れました。特貢グレードはより標高の高い茶園で作られており、一般のグレードよりも味がやわらかく、余韻が長いのが特徴です。私が実際に飲んだ感想としては、「正直、普通のグレードでも十分に楽しめると思います。」ただ、極上の味わいをストイックに追求されるお客様には、特貢グレードがお勧めです。

 

高温でいれると美味しい

太平猴魁は窒素肥料を与えた旨味重視のお茶ではなくポリフェノールによるスッキリした味と香りを楽しむお茶です。したがって、お茶の香りを十分に引き出すために、沸騰水にて短時間で淹れるのがお勧めです。また、茶葉が非常に美しいため、グラスに茶葉を入れ、熱湯で入れる方法は中国の産地では人気の飲み方です。ガラスは耐熱ガラスでなくとも熱湯に耐えられます。色のついたガラスやクリスタルは味に影響をするため、無色透明のガラスを用いてください。

太平猴魁は水出ししも美味しい

太平猴魁は水出しにしても美味しいお茶です。私は1リットルに対して5gの茶葉を用います。生水を用いるのではなく湯冷ましを使うことでさらに香りが出ます。沸騰することで、水に含まれる重炭酸カルシウムが炭酸カルシウムに変化するためです。香りが非常にスッキリとしており、それでいて、心地よい余韻があるため、水出しにして、冷蔵庫に入れておくと、夏場には重宝します。

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