白牡丹

HOJOでは雲南省の標高2100mクラスに自生する老樹から収穫された茶葉を用い、オリジナルの白牡丹を作りました。これまでの白茶の概念を突き崩す衝撃的な品質のお茶に仕上がりました。

白牡丹白牡丹

白牡丹の産地周辺の風景

原料の質がダイレクトに品質に反映する白茶

白茶は生産方法がシンプルゆえに、原料となる茶葉の品質がダイレクトに反映されます。ゆえに、原料となる茶葉の品質を向上することは、単純に白茶の品質を高めます。私の経験上、中国でも特に品質が高い茶葉原料が入手出来るのは雲南省の奥地の2000m以上に位置する自然栽培の老木から成る茶園です。このエリアの場合、茶園と言っても、日本や福建省の茶園のようにお茶の木が低木に仕立てられているのではなく、各お茶の木は自然のままに放置されており、大きな木の場合、屋根くらいの高さがあります。私達は、無農薬・無肥料で、木のまわりの雑草も除去しない完全な自然栽培の茶園を選び、原料が入手出来るように手配をしました。

白牡丹

値段高騰で量産に舵を切った福建省産の白茶

一方、白茶で有名な福建省では過去7-8年、白茶の値段が高騰し続けております。このきっかけとなったのは「白茶は長期保存によって熟成する」という概念が2000年頃より紹介されたためでした。それまでは年内に売り切らねばならなかった白茶が、古いほど高い値段で売れるようになりました。これにより福建省では白茶が投機対象となり、値段が10倍以上に高騰しました。当然、福建省の農家ではより生産量を上げ、収入を増やすために、肥料を多く使用するようになり、お茶の品質は全体に低下傾向にあります。値段が高い上に、質が低いのでは意味がないため、HOJOでは全ての白茶を雲南省産に切り替えるべく、数年かけて準備(生産試験)をしてきました。

福建省福鼎の一般的な白茶の茶園

現地の設備を使い自分たちで生産

雲南省で白茶を作る際に頻繁に問題となるのは、加工技術の低さです。雲南省の場合「白茶は日陰干しすれば良いだけ」と工程を軽視している生産者が多く、折角の良質の原料が加工によって価値を落としているケースが多く見られます。萎凋の管理が出来てない場合、茶葉が黒変します。これは萎凋室の温度、空気循環量、茶葉の重なり具合などが不適切ゆえに、萎凋工程中に「蒸れ」が生じているためで、茶葉が過度に発酵してしまった結果生じます。乾燥キクラゲのような独特の香りを呈することから、私は好みません。折角の良い原料を使用しても、萎凋が管理できてないと、よい香りを引き出せないため、生産管理は非常に重要です。私達は過去数年にわたり、実際に生産現場に入り白茶の生産に携わってきました。この経験のおかげで、設備さえあれば自力で白茶を生産できるようになりました。今回、白牡丹を生産する際には、生産方法とパラメーターを直接作業者に指示し、バッチ毎に工程を管理することで、HOJOの理想とする品質に仕上げました。

白牡丹

標高の高い茶園の自然栽培茶を使用

本商品の原料茶葉は、雲南省臨滄の南西部の標高2100m付近で収穫しました。お茶は1芯1葉を規準に摘んで貰いました。白牡丹の原料は一番茶にもかかわらず、5月になってから収穫されたお茶を用いております。標高が高く、樹齢の古いお茶の木ほどお茶の収穫時期が遅くなります。同じ一番茶でも、3月、4月に摘まれ多お茶と、5月摘みのお茶では品質に雲泥の差があります。

白牡丹

白茶の作り方

白茶は、殺青と揉捻を伴わなわず、萎凋によって微発酵をさせたお茶と定義することが出来ます。白茶の歴史は古く、2000年以上前から存在しており、お茶の中でも最も古いお茶とも言われております。摘み取った茶葉は、短時間の日光萎凋の後に、日陰で数日間ゆっくりと萎凋を行います。徐々に水分が蒸発する脱水ストレスにより、お茶の酸化酵素が活性化し、微発酵が生じます。萎凋時間が短いと緑色になり花の香りを呈します。逆に萎凋時間が長いと、やや褐色化しフルーティな香りに仕上がります。前述したとおり、萎凋時に蒸れが生じると、茶葉が黒変し、干しキノコのような過発酵臭が感じられます。本商品は、48時間程度(日々の天気にもよる)の萎凋を行うことで、花のような香りと仄かにフルーツの香りがする、バランスのよい香りのお茶に仕上げました。

全く熱を加えない作り方にすることで豊かな香りを実現

白茶には幾つかの作り方があります。福建省で主流の作り方は、萎凋が完了したお茶を120℃の乾燥機に10分ほどいれることで、青臭さを抑え、香りと味をクリアーにし、同時に甘い香りを引き出します。ただ、この工程は甘い香りを引き出す反面、熱によりフレッシュでフローラルな香りを消してしまいます。HOJOで使用している原料茶葉は、自然栽培のお茶ゆえに、青臭さが殆ど感じられません。そこで、あえて、最後の120℃加熱工程を省くことで、萎凋したてのフレッシュな白茶特有の香りを楽しんで頂く事にしました。白牡丹を口にいれると、花の香りが豊に感じられ、余韻が非常に長く、飲みごたえのあるお茶です。白茶が好きな人のみならず、白茶を飲んだことがない人にも是非ともお勧めするお茶です。

白牡丹

白牡丹

白牡丹

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