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四双版納で数日間を過ごした後、无量山脈を目指し茶馬古道に沿って北上しました。无量山(日本語ではムリョウサン、中国語ではウーリャンサン)は、雲南省の南西部(普洱付近)から大理まで400km位続く非常に長い山脈です。現地で无量山と言った場合、山と言うよりも特定の地域を指しております。無数の山々により構成されており、四双版納と並び、屈指のプーアル茶の山地として知られております。
私は无量山の中でも数カ所の産地へ立ち寄り、それぞれの場所で1-3泊しお茶の視察とテイスティングを行いました。自分の気に入ったお茶があるかどうかその場で確認し、買うか買わないかの交渉をします。雲南省と言っても、非常に広大で、何千という種類のプーアル茶があるため、ある程度地域と山を特定し、後は自分の舌で品質を決め込むしかありません。
「樹齢に基づいて選べば良いのでは?」「或いは標高に基づいて選べば?」と思われるかもしれませんが、无量山付近では、どのお茶にも「古樹茶」という名称が付けられており、全然参考になりません。また、同じ古樹茶でも、春摘み、2番茶、3番茶、夏茶、秋茶と有るため、味が評価できない場合、選びようがありません。業者は質の優劣の分かる人には、正確な情報を出し、逆に質の優劣が分からない人には、それなりの対応しかしません。
この様な事情から、多くの人が「有名な工場」から茶葉を購入します。有名な工場であれば、お茶を特定のブランドとして売れるため、やっかいなテイスティングを省くことが出来ます。但し、工場製のプーアル茶は、中位の品質は入手できても、上以上の品質は入手できません。工場の場合、大量生産を目的としております。ゆえに工場な訳です。大勢の従業員を抱える工場にとっては、量売ってなんぼの世界です。沢山作り、沢山売ることが絶対的な使命と言えます。このためには、沢山の原料茶葉を確保しなければなりません。つまり、あちこちの山から原料茶葉が集められ、いろんな年齢の茶葉、異なる標高で採れた茶葉、時には、別のシーズンに採れた茶葉が互いにブレンドされます。このため、品質は平均化され、当たり障りのない品質と成る反面、優れた品質のお茶は出来ません。

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