プーアル茶についてみんなが知りたいこと

[2017.03.27] Posted By

プーアル茶とはどのようなお茶なのでしょう?

どのような種類があり、何を持って良い品質とするでしょう?
また、どのような飲み方が最適なのでしょうか?

私は雲南省を毎年訪れ高山の少数民族の村に約1ヶ月滞在してお茶の仕入れを行っております。以下、現地で学んで見識を紹介しつつ、プーアル茶に関する疑問に答えていきたいと思います。

先ず、プーアル茶とは雲南省の南部にある西双版納州と普洱市、臨倉市、大理市と呼ばれる地域で大昔から作られておりました。プーアル茶を理解するには雲南省とその周辺の地域の歴史を簡単に理解する必要があります。

お茶の老木に登っている、私

プーアル茶の歴史

中国南部に位置する雲南省は、昔から中国だったわけではありません。実際に中国の一部となったのは明の時代であり、それまではモンゴル民族やタイ系の民族を含む様々な民族により複数の小国が作られ統治されておりました。この為、現在における国境線は当時の国境線とは異なりました。当然、プーアル茶は実際には雲南省だけでなく、その周辺諸国でもその昔から生産されており、それは現在に至っても同様です。実際に、ベトナム、ミャンマー、ラオスでも、樹齢が数百年から千年を超えるようなお茶の木があり、プーアル茶が生産されているのも事実です。私も、国境に近い地域に行くと、ラオス産やミャンマー産のプーアル茶を頂く事があります。

実際にプーアル茶が作られるようになったのはごく最近

ただし、実際にプーアル茶が作られるようになったのは700-800年前と言われております。それ以前はと言うと、プーアル茶ではなく、その時代ごとに異なる形式のお茶でした。例えば2000年前はというと、お茶をただ乾燥した、ちょうど漢方薬のような形態の茶葉が交易に用いられておりました。

写真に映っている木は全てお茶の木

プーアル茶は少数民族が好んで飲むお茶

700-800年前にプーアル茶が作られるようになってからも、プーアル茶は歴史的に中国本土の漢民族には受け入れられず、少数民族が自分たちで飲むか、チベット、ミャンマー、モンゴル、東南アジアへと輸出され、馬や他の食料と交換するための交易品としての役割を果たしておりました。

雲南省のお茶は茶馬古道を通じて周辺諸国へ輸出され、馬と交換された

西双版納はベトナムやラオスと国境を隔てており、雲南省の最南端に位置する州です。ここで生産されたお茶の多くは北上し、プーアル(普洱)という町に集積されました。この交易に用いられたルートは「茶馬古道」と呼ばれ、現在では第2のシルクロードとも呼ばれております。

このことから、雲南省で生産されるお茶がプーアル茶(普洱茶)と呼ばれるようになりました。プーアル茶は広東語ではポーレイ茶とも呼ばれます。プーアル茶とポーレイ茶は同じ種類のお茶を指します。

歴史的にも有名な四双版納の生産会社であり、良質のプーアル茶=四双版納と思っている人がおりますが、歴史的にも、原料を全て四双版納内で確保していたわけではなく、実際は臨滄を初めとする他地域の原料を集めては商品を作っておりました。

プーアル茶 プーアル茶
茶馬古道の起点となった易武の村 茶馬古道にて会話を楽しんでいる少数民族。

近年になり急速に高まったプーアル茶ブーム

歴史的に見てプーアル茶は中国漢民族の間では殆ど飲まれず、少数民族が飲んでいるエスニカルなお茶というのが従来の中国での評価でした。勿論、中国の歴代皇帝もプーアル茶を飲んでおりませんでした。ところが、ここ10年内、広東省、香港、台湾のマニアを中心に急速にプーアル茶ブームが到来しました。これによりプーアル茶の価格は高騰し、市場には膨大な量の粗悪品が流通しました。このブームは2007-2008年にピークを迎え、その後衰退しつつあります。

ただし、東南アジアをはじめとする中国系のビジネスマンは、プーアル茶を熱帯雨林気候下で保存することで、熟成により価値が向上し、将来高い値段で売れると今も信じており、個人で何億という金額をお茶に投下している人にも会ったことがあります。詳しくは、以下のページを参照ください。
http://hojotea.com/jp/posts-826/

実際、東南アジアにおける1年を通じての高い温度帯はプーアル茶をより早く熟成する上でプラスに作用します。ただし、東南アジアは高温なだけでなく多湿であることも考慮にいれる必要があります。高温多湿環境下でお茶を露出した場合、お茶の水分があがり、結果として品質は劣化します。東南アジアの気候をプラスに利用しようと思った場合、お茶を密閉するなどの工夫が必要になります。

2008年以降、ブームは下火となり多くの会社が倒産へ

2008年になるとブームは下火になり、過剰な在庫が原因で倒産するお茶会社が続出しました。現在、値段は年々下降傾向にあり、また、粗悪品が徐々に淘汰され始めたことから、良いプーアル茶を入手するには良い環境になりつつあります。

ただし、2012年頃よりプーアル茶の値段は再び上昇しております。老班章や昔帰、武易、布朗山、冰島のような有名産地では値段が高騰しております。

2種類の異なるプーアル茶、生茶と熟茶

プーアル茶は全く異なる2種類のお茶から構成されております。それらは「生茶」と「熟茶」と呼ばれます。何百年も昔から作り続けられているお茶は生茶です。また、コレクターや投資家が血眼になって集めているお茶も生茶です。以下の図はプーアル生茶とプーアル熟茶の製法の違いを示したものです。

プーアル生茶

緊圧される前のプーアル生茶。このような状態を毛茶と呼びます。

生茶:いれたての茶葉はまるで緑茶のような色をしております。

茶摘みの規準

生茶は基本的に緑茶と同じ流れで作られますが、殺青とその後の乾燥方法が緑茶のそれとは異なります。茶葉は緑茶のように芽や1芯2葉だけではなく、烏龍茶と同じく1つの芽に対し、2~3枚の葉を付けて摘み取ります。2−3枚目の葉は長い間、木についていた事から、ミネラルやカテキンなどのポリフェノールが豊富に含まれており、良い香りと後味を出すためにも欠くことが出来ません。逆に芽の部分ばかりから作られたプーアル茶は、芽に含まれるアミノ酸が多すぎることからメーラード反応が促進し、長期熟成をした際に良い香りが出ません。

シルバーチップが異常に多いお茶は見た目を意識してブレンドされたもの

シルバーニードルのような芽が非常に多く含まれるプーアル茶を見かけますが、これは白茶を意図的に混ぜ込み、見た目を改善したタイプです。本来のプーアル茶は超高級品質でも、芽の量は多くありません。中には、意図的に1芯1葉などの特殊な摘み方で作られたプーアル茶もありますが、前述したように芽の割合が高いお茶は熟成に向きません。

雲南省のプーアル茶工場で見た、シルバーチップのブレンド作業

殺青

収穫された茶葉は殺青と言って、釜で炒ることで酵素を失活させます。釜炒りですが、実はフライパンからの直熱で殺青を行っているのではありません。釜炒りをすると、茶葉の温度は徐々に上がり、その結果、大量の水蒸気が発生します。下の写真を見ていただくと分かると思いますが、茶葉をフライパン上にこんもりと積み上げます。こうすることで、内部に水蒸気が充満し、水蒸気により茶葉が処理されます。テンポ良く、手返しをすることで、フライパンに触れている部分が焦げ付くのを防止します。プーアル茶の釜炒りには2つのスタイルがあります、

  1. 殺生を完全に行わず、茎に含まれるごく一部の酵素を残すやり方。
  2. 完全に殺青を行い、酵素を100%殺青するやり方。

1の方法では酵素が残存するために、天日乾燥中に僅かな発酵が行われます。この結果、烏龍茶のような爽やかな香りが生成され、初心者受けし易いお茶となります。このタイプのプーアル茶は分類するなら半発酵茶になります。
2の方法の場合、酵素が完全に失活することで、香りに起因する個性が少ないお茶になります。ただし、この方法で作られたプーアル茶は、熟成が進んだときに非常に良い香りとなります。このタイプのプール茶は分類するなら不発酵茶になります。
プーアル茶の殺青

プーアル茶の加工

プーアル茶の殺青

尚、殺青に使用されるフライパンの厚み・サイズが、お茶の品質に大きな影響を与えます。下の写真の様なフライパンは少数民族により一般的にもちいられるタイプですが、厚さがないために、温度分布が不均一となり、それが理由でお茶に焦げやすくなります。また、サイズが小さいと、一回当たりに処理できる茶葉の量が少なくなることから、茶葉内部に十分な量の水蒸気を留保できなくなります。小さなフライパンで殺青を行った場合、水蒸気がどんどん抜けていくことから、殺青される前に茶葉が乾燥してしまいます。このことを防ぐため、農民はより高い温度を加える事で対処しようとするため、その結果、 茶が焦げやすくなります。より高いレベルの加工を行うためには、厚みはもちろん、サイズの大きなフライパンが必要です。ただし、山奥にある少数民族の村には、あまり良質のフライパンは普及しておらず、そう言う場所に限って良い質のお茶が作られているため、茶葉を仕入れる側としては非常に悩ましい問題です。

天日乾燥することで更なる発酵を

プーアル生茶は太陽光で乾燥されます。太陽の場合、温度が上昇しないため、茶葉内に酵素が残存している場合茶葉は徐々に発酵をします。但し、殺青をしっかり行っているプーアル茶は天日乾燥中の発酵が起こりません。プーアル茶の香りは天気に強く依存します。天気が悪い日に乾燥されたプーアル茶は、生乾きの洗濯物のような、不快臭がします。良いプーアル茶を作る為には天気は非常に重要な要素です。

一晩、寝かした茶葉は早朝から天日乾燥を開始する。

熟成により、緑茶、白茶、烏龍茶、紅茶と香りが変化する

プーアル生茶の新鮮な茶葉は緑茶と同じく緑色をしております。但し、保存期間が長くなるにつれて、茶葉の色は徐々に褐変し、茶色へと変わっていきます。実際には5〜10年程で黄色系の色へと変わります。生茶の味は新鮮な内は緑茶に近く、熟成と共に花の香り、更に熟成すると、フルーツの香り、そして、最終的には乾燥フルーツの香りへと変化します。年々異なる味が楽しめることはプーアル茶を飲むことの楽しみの一つであり、保存の仕方によっても品質は変わります。(保存法については後で詳しく説明します。)

プーアル茶 プーアル茶
プーアル生茶の茶葉 プーアル生茶の茶殻。プーアル生茶は緑茶や烏龍茶と同じような外観です。

プーアル熟茶

 

歴史が非常に浅いプーアル熟茶

700-800年の長い歴史を持つプーアル生茶に対し、プーアル熟茶は1973-4年に開発されました。プーアル生茶の茶葉を原料にカビで発酵する方法が、湖南省の茯磚茶などのような黒茶の製法を参考にして開発されました。生茶として、既に完成品となった茶葉は放線菌を初めとする好気生菌、嫌気性菌、カビや酵母などの真菌による発酵で急速に熟成されます。れにより、短期間の間にお茶はまるで20年位寝かせた生茶のように完全発酵をします。
茶葉は黒~茶色へと変色し、お茶は深い茶色~赤の色を呈し、マイルドな口当たりが特徴のお茶です。

プーアル熟茶

日本に流通しているプーアル茶の多くがプーアル熟茶

日本で主に流通しているお茶は、その殆どが熟茶です。市場ではプーアル熟茶の方が概して安価であり、高級な原料になるほど生茶の生産に用いられます。ただ、中にはこだわりの高品質の原料で熟茶を生産している会社もあります。

春茶が極めて希なプーアル熟茶

プーアル熟茶の場合、その多くが、海外や中国北部の市場を対象としているため、春、夏、秋のお茶から作られた熟茶は最終的にブレンドが行われ、品質と値段を平準化してから販売されることが一般的です。もちろん、突出して品質が良いお茶は春茶です。HOJOでは春茶の熟茶のみを確保するために、生産者と直接取引をしており、予約生産を行って貰っております。

酸素を必要とする細菌、放線菌の発酵により60℃以上の高温になる。

プーアル熟茶は茶色い水色をしている

プーアル熟茶の茶葉

プーアル熟茶の淹れ方ビデオ

以下の画像をクリックするとYoutubeのビデオを見ることができます。

プーアル茶の品質はどう決まるのでしょう?

プーアル茶に限らず、お茶の品質は、①コクの深さ、②ふくよかさ、③滑らかさで決まります。

コクとは?

日本語におけるコクという言葉は、理解しにくいですが、言い換えるならば余韻、まろやかさ、やわらかさ、喉越し、ソフト、余韻、後味、と言う言葉が適切かと思われます。お茶を飲んだ際に、低品質のお茶は香りが強く、それでいて後に残りません。良いお茶は、喉の奥までグッと入り、香りも甘みも長く持続します。この感覚を中国語では「回甘」Hui Ganという言葉であわします。

ふくよかさとは?

尚、ふくよかさですが、言い換えるならば、ボディ、香りの立ち方、ほんわり、どろりとした、重量感などの感覚を意味する言葉です。ふくよかさにはカルシウムやカリウムが関係しております。中国語では「口感」という言葉で言い表します。

滑らかさとは?

滑らかさとは、口に含んだときのソフトな舌触りを指します。
春に摘まれたフキや三ツ葉と、夏場に摘まれたそれら山菜の違いをイメージしてみてください。
春に摘まれた山菜は、舌触りが滑らかなのに対し、夏に摘まれた山菜は、味が荒削りで渋味なども呈します。
これと全く同じで、お茶の場合、1番茶と2番茶、更に、3番茶以降に摘まれたお茶では、口に含んだときの滑らかさが全く異なります。
とうぜん1番茶が最も滑らかなわけですが、この感覚はお茶を1つだけ飲んだだけでは、分からないことが多く、比較してはじめて気が付くことが一般的です。
実際、1番茶と2番茶ではお茶の値段は倍以上異なります。年間の生産量で見ると、1番茶の生産量は全体の1割以下であり、このことから分かるように、市場に流通しているお茶の殆どは1番茶ではありません。

全ての食品に共通する美味しさの物差しは、コクとふくよかさ

お茶だけに限らず、美味しい食品、果物、野菜、ワイン、酒、そしてジュース味をコクとボディと言うモノサシで説明することが出来ます。美味しいリンゴジュースと、あまり美味しくないリンゴジュースを比較してみてください。何が違うのでしょう?

甘さでしょうか?

美味しくないリンゴジュースに砂糖を加えたら、美味しくなるのでしょうか?

或いは、香りでしょうか?

美味しいくないリンゴジュースに同じ香りを付けたら美味しくなるのでしょうか?

実は、全ての食品に共通していえるのが、美味しい食品には強いコクとふくよかさが感じられます。お茶・食品の香りは横の感覚である「ふくよかさ」、そしてコク(中国語では回甘と言う)は奥行き、つまり味の奥行きを演出します。ミネラルを豊富に含み、強いコクやふくよかさを呈する食品の場合、味が濃く感じられます。

お茶の品質はコクやボディできまり、値段はそれらの強度に比例して高くなります。つまり、コクやボディが何か分かっていない場合、品質と値段の関係がよく分かりません。

良い品質のプーアル茶を仕入れるための条件

プーアル茶を選ぶ際、どのような要素が強いコクを生み出すのか理解することが重要です。コクは特定のミネラルの量により決まります。例えば鉄イオンなどが多く含まれている場合、より美味しくなります。つまり、特定のミネラルを多く含んでいればいるほど、コクの強度が増します。また、カルシウムやカリウムの含有量はお茶のふくよかさに寄与します。
どうすれば、ミネラルの豊富なお茶を選び出せるのでしょうか?この答えをどれだけ知っているかが、仕入れるお茶の質を左右します。お茶の産地は何千とあるため、ただ闇雲に試飲をしていても良いお茶には出会えません。ある程度、目星を付け、求める茶葉原料を作り出す環境を絞り込まねばなりません。プーアル茶の場合以下の要素によりコクの強度が影響を受けます。

標高

プーアル茶に限らず、高い標高は良いお茶を生み出します。高い標高の場合、昼間は強い日差しを吸収し、一方夜になると温度が一気に下がるため、お茶の木の代謝活動が遅くなり香りや味に寄与する成分が消費されず茶葉内に蓄積されます。

プーアル茶 プーアル茶
雲南省南西部、无量山中央部付近:
雲南省は山奥に至るまで農民が住んでおり、その多くは
高山少数民族により構成されております。
雲南省西部の北无量山の景色:
2000-4000m級の山々が連なっており、亜高山性の気候です。
下に見えるのはメコン川の源流です。

 

緯度

プーアル茶の産地はベトナム、ラオス、ミャンマーと国境を隔てており、場所によっては熱帯雨林性の気候の場所もあります。仮に標高が同じでも、緯度が南に行くほど、夜の温度は高くなります。従って、一般論として、緯度は高めの方が良いお茶が出来ます。一方、緯度が高すぎても、昼間の温度が低すぎて良いお茶は出来ません。基本的には雲南省西部から南西部にかけて走る无量山脈が緯度と標高のバランスが取れており、良いお茶を生み出します。

下の写真にもありますが、无量山系(雲南省南西部)では、昼間の気温は30℃近くまで上昇するのに対して、夜になるとその気温は3℃くらいまで下がります。この極端な昼夜の温度差が優れた品質のお茶を生み出します。

プーアル茶 プーアル茶
雲南省南部の四双版納州の町中の風景:ベトナムやラオス
と国境を接しており、亜熱帯の過ごしやすい気候です。
雲南省南西部无量山の景色:生態系も南部とは明らかに
異なり、針葉樹が多く見られます。この辺は松茸の産地でもあります。

品質に影響を与えるお茶の木の樹齢

樹齢はプーアル茶を選ぶ上で重要な品質要素となります。木の年齢が古いほど根の全長は長くなります。長いと言うことは、より表面積が大きいことを意味しており、ミネラルの吸収能力が増します。プーアル茶を生産するお茶は3つのタイプに分けられます。

1. 最初のタイプは「茶園産」。文字通り、茶園で作られるお茶を指しております。多くの熟茶は茶園産の茶葉から作られます。また、一般に国内で見られるプーアル茶の多くが茶園産です。茶園産を否定するわけではありませんが、概してコクは強くありません。コクが強くならない理由ですが、茶園産の場合、まずお茶の木が種から撒かれておりません。種から撒かれたお茶は地面に体して垂直に根を張りますが、茶園産で一般的な挿し木のお茶は、根を横に張る性質があります。茶園産はまた、窒素の供給源が無いため、結果的に窒素を肥料に頼ることになります。肥料を与えられたお茶の木は、成長が早く、ミネラルが薄く味の濃さがあまり感じられないお茶になります。

2. 次に、喬木と呼ばれるカテゴリーがあります。これは山の斜面にランダムに植えられている人の背丈程度の木で齢100-300年の木を指します。喬木でも標高が高い場所産の場合、中の上程度のコクを示します。

樹齢の若い木の茶摘みをするハニ族の女性

3. 最高の品質を生み出すのは、老樹とか古樹と呼ばれるグループで、樹齢100-1000年程度の木を指します。これらの木は非常に巨大化しており、木の胴回りだけでも大人の体ほどもあるものもあります。茶摘み=木登りを意味しており、高い所へ登って茶摘みが行われます。喬木以上の老木は山の中に生えているため、基本的には山菜と同じく無農薬です。山のお茶の周りには野生の木も沢山生えており、それらの木から落下した葉からはミネラルが土壌に溶出するため、茶園産の茶葉と比べると極めてコクの強いお茶が出来ます。

プーアル茶 プーアル茶
樹齢800-1000年のお茶の木で茶摘みをする農民 樹齢数百年のお茶の木

プーアル茶

上の画像↑をクリックすると拡大します。

雲南省の老木のビデオ

以下の画像をクリックするとYoutubeにて画像を見ることができます。

お茶作りに関わる民族

良いプーアル茶を入手しようと思った場合、少数民族が所有する山から原料茶葉を入手する必要があります。中国人の政治経済の中心を占めるのは漢民族です。日本人の多くもこの漢民族をその祖先に持ちます。漢民族は、概して勤勉でビジネスのセンスが優れております。これに対し、雲南省の少数民族は、タイ人、ラオス人、ミャンマー人、ベトナム人と類似の民族により構成されており、一般的に東南アジア気質であり、概してのんびり屋さんです。

茶摘みをする傣族の女性

木の幹を途中から切る事で、老樹は若い枝を作り出します。これら若い枝は速く上に向かって伸びるため、老樹でありながら、若い木並の収量を確保することが出来ます。ところが、このように成長速度が速くなった老樹から作られたお茶は、老樹の味を維持しておりません。若い木と同じように速く伸びることから、若い木と同じような品質に変化してしまいます。

プーアル茶 プーアル茶
途中から切られたお茶の木 同じく、途中から意図的に切られた老木

一方、少数民族により占められている地域のお茶は完全放置に徹しられており、お茶の木も山の木も大差のない状況です。お茶の老樹は、山の中に生えており、その周りには様々な雑木や草が茂っております。山菜と全く同じ感覚であるため、農薬も肥料も全く与えません。このことは少数民族の民族性だけでなく、少数民族は経済的にも貧しいため、農薬や肥料にお金をかける余裕がないようです。ただし、少数民族でも、肥料や農薬を沢山使用している場合もあるため、これはあくまで「傾向」です。

プーアル茶 プーアル茶
老木から茶摘みをする傣族の若い女性 老木に登り茶摘みをする傣族の男性
プーアル茶 プーアル茶
お茶の木が生えている山はジャングルそのもの 突然雨が降ってきたため、雨宿りをさせて頂いた傣族の家

茶摘みの回数

お茶の質は早い時期に摘まれたお茶ほどよく、摘んだ後に生えてくる2番茶、3番茶の質は1番茶には劣ります。これは割と常識的な話で、タラの芽のような山菜でも、最初に出てくる芽が美味しく、2番目、3番目の芽は味が劣ります。

実はお茶摘みにはもう一つ大きな秘密があります。

前年度に何回もお茶が摘まれた木は、翌年余りよいお茶を生み出しません。春に一度だけ摘まれたお茶の場合、その翌年までの1年間しっかりと時間をかけ、十分な量のミネラルを樹内に蓄積することが出来ます。反面、春に摘み、晩春に摘み、夏に摘み、秋に摘みと、幾度となく茶摘みが繰り返された場合、お茶の木は次から次へとミネラルを供給しなければならなくなります。このため、冬になっても、よく春に出てくる新芽に供給する為の十分なミネラルが備蓄されておらず、よく春に出芽するお茶の品質は自然と低下します。これが何を意味しているかというと、2006-2007年は猛烈なプーアルブームが雲南省を直撃しました。農家では作ったお茶は片端から高値で売ることが出来ました。このため、従来は、年に1-2回しか茶摘みをしなかったはずが、皆、一年中茶摘みが行われました。このため、2007年、特に2008年のプーアル茶はコクが弱いお茶に仕上がっております。

土壌の質

土は粘土質で鉄分が多いのが理想です。亜鉛や銅等のミネラルが入ると、土は濃い赤色から、紫色を呈しております。このような土の茶園で作られたお茶は、渋味を呈することが多く、あまり好ましくありません。

尚、ふくよかさに関係する要素として、私はアルカリ性土壌の重要性を感じております。日本のお茶作りでは、お茶には酸性土壌が良いと言うのが常識となっておりますが、私が知る限り、質の良いお茶が採れる茶園のほとんどがアルカリ土壌で構成されております。

赤土の茶園

雨が少ないほど質の良いお茶ができる

気候というと一般論的に聞こえますが、ワインと同じくお茶にも当たり年と余りよくない年があります。プーアル茶は保存が出来るお茶であるため、当たり年の物を多めに買い、在庫するなどのノウハウも必要となります。基本的に、お茶は成長が遅いほど良い品質になります。つまり、成長するのに、より時間をかけるほどコクの強いお茶になると言うことです。お茶は比較的温かく、乾燥状態の方が良いお茶が出来ます。暖かい=日光が豊富なので、茶葉は香りや味の素となる成分を量産します。但し、乾燥していると、夜の気温は更に低く(放射現象)、また水分不足から成長速度が遅くなります。

逆に、雨が多い年はお茶の品質は最低になります。雨が多いと、お茶はすくすくと伸びてしまいます。成長が早いと味が薄くなり、当然、コクも強くなりません。雲南省と言っても非常に広く総面積は38万平方キロと日本よりも広い為、省の気候は一貫しておりません。南部はどちらかというと、アジアの天気の影響を受け、南西・西部になると、大陸性の天気の影響を受けます。このため、お茶に対しての最適な気候は雲南省でも州ごとに異なります。例えば、2010年、西双版納は強烈な干ばつに見舞われ、お茶の生産量は1/3位まで低下しました。このため、お茶の値段は例年よりも値段が高くなりましたが、但し雨が少なかったことが幸いし品質は極めて良いと感じております。但し、更に緯度の高い无量山系のお茶になると、場所によっては干ばつに加え冷害が深刻だった場所もあります。

自然農法

最後に品質に影響する最も重要な要素を紹介します。有機肥料、無機肥料に関係無く、窒素肥料が施肥された場合、お茶は成長が速くなり、光合成を行い、お茶の表面積を大きくします。お茶は同時にアミノ酸を細胞内に蓄えるために、テアニンを多く合成し、蓄積します。このテアニンは日本茶の旨味成分と言われておりますが、旨味成分=美味しさの成分ではありません。旨味というのは、味覚の1つ似すぎず、アミノ酸が多いから美味しいというのは大きな誤解です。実際、テアニンを多く含む茶葉は、ポリフェノールが少なく、ミネラル分の少ない茶葉になります。その結果、お茶にはコクがなくなり、フラットな味わいになります。

有機肥料の隣にあるお茶の木は、濃い緑色で大きな葉を付けておりました。

肥料を与えない限り茶葉がこれほど巨大化することはありません。

高品質のお茶を生み出すためには、有機無機に関係無く窒素肥料を与えないことが重要です。ただし、お茶は成長するためには窒素が必要です。窒素を供給するためには、根粒菌のように空気中の窒素をお茶の根が吸収しやすい形で取り込むことのできる微生物の存在が欠かせません。これらの微生物が生態系を維持して茶園の土壌に生息するためには、茶園に生えている雑草をそのままに維持することが重要です。雑草を除去することは、無意識に土の中の巨大な生態系を破壊しているのです。

野生の山菜が美味しいのは、少ない窒素で、時間をかけて育っているためです。肥料を与えて育った、ハウス産のタラの芽は美味しくないのと同じで、良質な茶葉を作り上げるためにはできるだけ野生に近い育て方をすることが重要となります。

野生のお茶

お茶屋でよく見かける「野生茶」の実態

野生のお茶とは山に生えている天然のお茶を指します。プーアル茶の店や、インターネットで検索すると「野生プーアル」という文字を強調した名称をよく見かけますが、実際は多くが野生のお茶ではありません。よく調べてみると野生と書いてあるお茶の殆どが、野生のお茶ではなく、人の手で育てられた老木や喬木から作られます。

いろんな種類が混在する野生茶

野生樹ですが、雲南省の南西部に多く分布しており、特に无量山、大雪山や哀牢山の標高2000m以上の地点に多く見られます。野生樹と一言に言っても、複雑交配により生じた様々な種類のお茶により構成されるため、お茶の葉のサイズを初め、茶葉の形状、色、味香り全てにおいて均一ではありません。概して、野生樹は非常に強い喉越しが感じられるのですが、様々な種類の木から収穫された原料をランダムに混ぜ合わせた場合、一概に美味しいとは限りません。組み合わせにより、含まれるミネラルの組み合わせも異なるため、味香りが影響を受けます。

野生茶探索ビデオ

以下の画像をクリックすると、Youtubeでビデオを見ることができます。

香りは品質ではなく、お茶の性格

コクでお茶を選び出し、次段階に香りの確認をします。香りは基本的に品質を決める要素ではなく、お茶の性格を決めます。人による肌・目・髪の毛の色の違いが質ではなく、個性であるのと同じく、香りは個性を形作ります。プーアル茶のフレーバーを決め込む際には、基本的に消去法で行います。特に、熟茶の場合、発酵が不適切に行われたお茶が多く、かび臭い香りがするお茶が多く見られます。

カビ臭いお茶は製法に問題が

プーアル茶はかび臭いから嫌いという話をよく聞きますが、それは、明らかに質の悪いお茶を飲まれた方の感想です。本来、適切に発酵されたプーアル茶はかび臭くありません。水分が多すぎたり、攪拌頻度が少なすぎると、堆積した茶葉に酸素が行き渡らないことから、微生物の増殖に偏りが生じ、特に嫌気性菌が優位になる事から、その結果不快臭を生じます。

プーアル生茶の煙の香り

生茶にはやや煙の香りのするお茶があります。プーアル茶を選ぶ際、煙の香りがないに越したことはありませんが、私達がコクの強いプーアル茶を選び出す課程で、多少の煙の匂いは容認する場合があります。勿論、煙臭が強すぎるのは問題です。「煙臭いお茶は、機械乾燥をしているから、そして、煙の香りのしないお茶は、天日乾燥をしているから」と説明をする人がおります。しかし、実際に現地に行けば、その様な話は事実無根であることが分かります。

一言で煙の香りと言いますが、実際には①煙の香りがする場合と②焦げ臭の場合があります。
煙の香りについてですが、お茶を天日乾燥する代わりに、木を燃やして乾燥させることがあります。このような作業は雨期に作られたお茶によく見られます。雨期というと、5月以降であり、この時期に作られたお茶は遅摘みと言うこともあり品質自体が良くありません。従って、これらのお茶は非常に低価格で売られることから、煙臭さがあまり気にされません。また、このような原料は安価であることから、プーアル熟茶の原料として使われることもあります。HOJOでは仕入れを3-4月に行っているため、このタイプのお茶は取り扱っておりません。

もう一つ一般的なのは、プーアル茶の殺生をする際に火力が強すぎてお茶が焦げてしまうパターンです。一般的に少数民族が自ら生産したお茶の場合、適切な生産設備を持たないことから、また、管理意識の低さから殺青時に茶葉が焦げることがあります。農家から直接仕入れを行った場合、このようなタイプのお茶が多くみられます。実際には焦げている茶葉ですが、人によっては煙臭いと表現することが多々あります。私達が仕入れをする際ですが、焦げの程度によっては即却下ですが、焦げ臭があまり強くない場合、また、お茶の品質が極めて高く、値段が魅力的な場合のみ、仕入れを行うこともあります。保存を前提として購入をされるお客さんの場合、5年以上おくことで、甘い香りが勝り、焦げ臭があまり気にならなくなることから、人によっては殆ど気にしない場合もあります。因みに、焦げ臭が強すぎるお茶の場合、一般的にはプーアル熟茶の原料として用いられます。

ビンテージプーアル茶について

生産が終了した時点で発酵がほぼ完結している熟茶と異なり、生茶は残存する酵素の影響で徐々に発酵が進みます。プーアル熟茶は丁度「腐葉土」や「堆肥」に相当し、生茶は「干し草」や「藁」に相当します。畳もそうですが、最初は緑色ですが、徐々に色も香りも変化します。ハイジのドラマじゃないですが、干し草を数年寝かせておくと甘い香りに変化します。この変化はプーアル生茶の「熟成」に相当します。

プーアル熟茶の場合、生産された年ではなく、茶葉の質と発酵技術の優劣により商品の品質と性格が決まります。それに対し、プーアル生茶の場合、毎年香りが変化していくために、生産された年は買う人にとって重要な要素です。プーアル生茶の場合、ビンテージ物を追い求めるコレクターやマニアが大勢おり、中には数百グラムのお茶が、数十万円で取引されることも珍しくありません。

ビンテージ物のプーアル茶は本当に美味しいのでしょうか?

 

プーアル茶を熟成する理由

プーアル茶を熟成させる最大の理由は「香りの変化」でしょう。熟成させることでプーアル茶の香りは年々変化します。熟成により香りが顕著に変化するのは半発酵茶であるプーアル生茶ですが、プーアル熟茶についても熟成はお薦めします。

生茶の場合、熟成は長ければよいと言うことではなく、自分の好みに応じた香りを作り出すことが重要です。例えば、数年熟成されたプーアル生茶は蜜のような甘い香りを生み出します。実際、多くのお客さんがこの香りを好み、店でもお茶が蜜の香りへと変化すると、お茶は急速に人気が出ます。
特に女性や若者については、深く熟成させたプーアル茶よりも数年熟成により蜜の香りへと変化したお茶を好む傾向が見られます。

7-10年くらい熟成することで、乾燥杏やイチジク、黒糖のようなより甘い香りが生じます。黙ってだすとお客さんによっては、紅茶か烏龍茶と思われるほどに甘い香りがします。
このレベルの熟成は男性や年配の人により好まれる傾向があり、また、若い年齢層の人でも、冬場になるとある程度熟成がするんだお茶の方が美味しく感じられます。

つまり、長く熟成すればよいと言うわけではなく、自分の好みを把握して、それにあわせた熟成期間を設けることが重要とです。

次にプーアル熟茶についてですが、熟茶の場合、熟成により舌触りがより滑らかになり、また、乾燥棗のような甘い香りがより増します。
熟茶の場合も数年以上寝かした方がより万人受けする香りへと変化します。

尚、熟成ですが、保存場所の年間平均気温が高いほどにより早く進みます。例えば、熱帯地方の場合、日本の2.5倍くらいの速度で熟成が進みます。

お茶の質は何年寝かしておいても変化しない

お茶の重要な品質要素の1つであるコクは、例え何年保管しようとも変化しません。生茶に関しては、お茶を何年保管したとしても、コクは原料となる茶葉の質で決まります。お茶の品質は、摘んだときの茶葉の品質(コク)がそのまま踏襲されます。

次に、ボディ、日本語で言う所のふくよかさですが、これについては保存により多少増します。ただ、僅かに強くなる物の、それ以上は強くなりません。最後に保存期間が長くなると、舌触り・食感が軟らかくなります。特に、低質の原料から作られたプーアル茶の場合、元の品質が悪いだけに、長期熟成した際の食感の変化は顕著に感じられます。ただ、高山で作られた春一番摘みのお茶の場合、もともと舌触りがとても滑らかゆえに、ビンテージ化した際の変化はそう大きく感じられません。まとめますと、ビンテージ物のプーアル生茶は、香り、舌の感覚が「特別」なだけであり、味の厚み、豊かさに関しては新茶と大きく違いがありません。

 

プーアル茶の保管方法は迷信だらけ

プーアル茶の場合、「紙にくるんだ状態のまま保管する」というのが、一般常識ですが、外気に晒された状態で茶葉を保管した場合、茶葉の水分値が上がり、茶葉の本質的な品質は低下します。勿論、24時間365日空調管理下にある部屋で保管するならば話は別です。プーアル茶の最適な保管方法は、しっかりと脱酸素処理がされたアルミ袋などに密封して保管することです。

 

プーアル茶が圧縮される本当の理由

そもそも、プーアル茶がなぜ圧縮されているかという点を考えてみてください。持ち運びが容易というのも1つですが、一番重要なのは、圧縮する事で中を無酸素状態にします。日本であれば、真空包装機を使えば簡単に出来ることですが、その様な最新設備がない数百年前からプーアル茶は圧縮により、内部は真空にされてきました。

昔のプーアル茶はカチンコチンに圧縮されていた

実は、一昔前のプーアル茶は、非常に高い圧力で圧縮されており、カチンコチンでまるで鉄のようでした。私も経験がありますが、カチンコチンのお茶は、ナイフでは全く歯が立たず、ノミで削るより他に解体する方法が無いほどでした。このようにカチカチに圧縮されたプーアル茶は、普通の室内に放置しておいても熟成が上手に進みました。内部に全く酸素が無く、水分も透過することができなかったためです。表面はさておき、内部のお茶を削り取っていれると、フルーツのような蜜のような香りがしたものです。ところが、最近ではカチンコチンに圧縮した場合、消費者からクレームが出ます。この為、どの業者も農家も、プーアル茶の圧縮はゆるめに行うようになりました。茶葉を解体しやすい反面、酸素易い分が内部に透過しやすくなり、保存には向きません。HOJOでは、カチンコチンのお茶と同じ条件を作るために、脱酸素剤を入れる事で酸素を除去しております。この保存法が素晴らしい香りを作り出すことは言うまでもありません。

 

多くのプーアル茶コレクターは劣化臭を熟成香と勘違い

紙に包んだ状態で、長期間室温にて保管した場合、茶葉は徐々に吸湿します。その結果、かび臭いような極めて不快な香りへと変化しますが、それをビンテージ茶の香りと勘違いして拝んでいるコレクターが大勢いるのが実情です。湿度と酸素を避けることで、プーアル茶を最適な状態に維持することができます。

一般に、プーアル生茶の場合、1−3年ものは花のような香りがし、3−5年ものはフルーツのような香りへと変化し、更に、蜜のような香りとなり、その後は木質の香りへと変化していきます。私の個人的な意見ですが、一番の飲み頃は10年内ではないかと思います。一般的に、女性や若者は1-7年程度のお茶を好む傾向にあります。

 

いろんな形のプーアル茶

 

「七子餅茶」はお茶の種類ではなく、形状を示す名称

プーアル茶というとピザのような形をしたお茶を思い浮かべられる人も少なくないのではないでしょうか。プーアル茶の本来の形は、散茶、毛茶と呼ばれ、緑茶と同じく、茶葉はバラバラで個々の茶葉が独立した形状をしております。私達が買い付けを行う際も、散茶を見てその品質を確認します。散茶の状態だと、混ぜ物があった場合に比較的容易に判断できます。散茶はその後、緊圧と言って、蒸気処理を行うことで柔らかくし、様々な形へと圧縮されます。プーアル茶が圧縮される理由ですが、その昔、交易品として長距離を運んだために、運搬がしやすいように圧縮されたと考えられております。但し、どのような形に圧縮するかと、それぞれの品質は全く関係ありません。七子餅茶のようにピザ形をしていても、沱茶のようにきのこ形をしていても、形状と品質は関係ありません。小型の、ミニ沱茶については、概して品質が悪いという先入観を抱いている人が多いですが、原料の茶がしっかりとした品質であれば、他の形状のお茶と品質は変わりません。七子餅茶のようなビザ形が一般的なプーアル茶ですが、飲みやすさから考えると、ミニ沱茶はお勧めの形状です。

プーアル茶 プーアル茶
プーアル茶の本来の形であるプーアル散茶。
但しこの状態だと、非常に嵩があり過ぎるため、
この状態で流通されることはまれであり、通常は緊圧により
様々な形へと「成形」されます。
プーアル茶の成形は型さえあれば、様々な形へと成形が可能です。

 

 

七子餅茶が357gの理由

ところで、なぜ、七子餅茶の標準的な重さは357gかご存じですか?昔から、餅茶は7枚セットで束にされておりました。357g x 7 = 2499gになります。中国の単位では500gが1kgなので、つまり、餅茶を7枚重ねると総重量が約5kgになるというわけです。

プーアル茶の緊圧工程詳細

以下、プーアル茶の緊圧の工程をを説明します。基本的に、散茶に蒸気をあてて柔らかくし、それを布の袋に入れて一気に成形を行います。全行程は1分以内に行われ、極めて手際よく作業が進められてゆきます。

以下の写真は大きな工場にて撮影しました。小規模な工場や農家でも類似のプロセスでプーアル茶の成形が行われます。

プーアル茶 プーアル茶
1.プーアル散茶を計量します。 2.計量した茶葉を金属製の型の中へ入れます。
プーアル茶 プーアル茶
3.下から水蒸気を与え、茶葉を蒸し上げます。 4.柔らかくなった茶葉を型ごと布の袋に入れ、
形を維持しつつ絞り、そして縛り上げます。
プーアル茶 プーアル茶
5.この仮成形は後の緊圧工程に影響するため、
一貫した動作で流れるように形が作られます。
合計10秒程度で一つのお茶を仕上げてしまいます。
6.石で圧力をかけプーアル茶を圧縮します。
プーアル茶 プーアル茶
7.乾燥工程へ 8.プーアル茶の成形は型さえあれば、様々な形へと成形が可能です。
写真はプーアル生茶

プーアル茶販売ページへ >> 

 

最後に

生産が終了した時点で発酵がほぼ完結している熟茶と異なり、生茶は残存する酵素の影響で徐々に発酵が進みます。プーアル熟茶は丁度「腐葉土」や「堆肥」に相当し、生茶は「干し草」や「藁」に相当します。畳もそうですが、最初は緑色ですが、徐々に色も香りも変化します。ハイジのドラマじゃないですが、干し草を数年寝かせておくと甘い香りに変化します。この変化はプーアル生茶の「熟成」に相当します。

プーアル熟茶の場合、生産された年ではなく、茶葉の質と発酵技術の優劣により商品の品質と性格が決まります。

それに対し、プーアル生茶の場合、毎年香りが変化していくために、生産された年は買う人にとって重要な要素でもあります。プーアル生茶の場合、ビンテージ物を追い求めるコレクターやマニアが大勢おり、中には数百グラムのお茶が、数十万円で取引されることもあるほどです。

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