現地でも珍しい武夷山の桐木水仙紅茶を発売

[2020.11.16] Written By

中国福建省武夷山の桐木関で作られた、桐木 水仙紅茶を発売しました。
茶園は標高1000m、お茶の樹齢は50歳ほどのお茶の木から摘まれた、無農薬無肥料の自然栽培茶を原料としております。
伸びやかな後味と濃く甘い香りが特徴の珍しい紅茶です。

薫香がするタイプだけじゃ無い伝統的な正山小種

このお茶は水仙種を原料に用いて、伝統的な正山小種の製法を踏襲して作られた紅茶です。
本当は正山小種水仙紅茶とでも呼びたいところなのですが、正山小種の場合、産地である桐木関にある実生のお茶を使うのが標準とされており、それが小種という名称の由来です。従って、水仙種を原料に使っている本商品の場合、桐木水仙紅茶という名称で呼ばれます。

現在、武夷山桐木村には2種類の正山小種が存在します。

1.一般によく知られている、薫香(煙の香り)がするお茶。

2.奇種、小赤甘などのお茶に代表される、濃い桃やトロピカルフルーツの香りがし、全く煙の香りがしないタイプの正山小種です。

一般に、伝統的な正山小種は煙の香り(薫香)がし、フルーツの香りがするタイプは近年開発されたお茶と思われがちですが、一概にそうともいえません。

正山小種はアールグレイの元となったお茶としても知られております。1800年代当時の正山小種を飲んだイギリス人が、トロピカルフルーツのような香りに感動し、その香りを模倣しようと、紅茶にベルガモットの香料を添加したのがアールグレイの起源と言われております。薫香のする紅茶がモデルだった場合、アールグレイはもっと煙り臭いお茶になっていたのでは無いでしょうか?

また、同じく1800年代、正山小種の高需要に伴う価格上昇のため、正山小種の作り方を模倣して作られた紅茶がキームン紅茶でした。もし、当時、薫香のする正山小種を模倣していたとしたら、キームン紅茶も薫香がするはずですが、実際は煙の香りはしません。

これらの歴史的なストーリーは100%正確では無いかもしれませんが、1600年代から、煙の香りがしない、フルーツ香のする正山小種があったと想像する事が出来ます。

非常に稀少な水仙種の紅茶

水仙種と言えば、武夷烏龍茶(岩茶)で非常に有名な品種です。
水仙種の人気が高いのは、味が良いことがその理由です。味が良いとは、つまり、後味が濃く、長い余韻を呈します。
ただし、水仙種のお茶の香りは概して華やかな方では無いため、加工において香りを引き出すための工夫が必要になります。
現在、武夷山桐木関において、水仙種の割合は全体の1%以下と栽培量が少なく、非常に稀少なお茶です。
桐木関における水仙種の歴史ですが、1970年以前までは水仙種は多くの農家で栽培しておりました。しかしながら、1970年代に多くの水仙種が撤去されました。
その理由は、2つあり、1つ目は、当時福建省大手の生産者が水仙種のお茶は発酵させても香りが弱いとコメントしたことが影響しております。
2目の理由は、1970年代までは、桐木関のお茶は中国国内では無名だったため、お茶の価格が安く、お茶農家は十分な収入が得られておりませんでした。この為、多くの農家がお茶を撤去し、代わりに大毛竹という箸の原料となる竹へと植え替えをしました。

炭火で長時間炙ることで形成される特徴的なフルーツ香

水仙種は茶葉が大きいため、一般的な正山小種よりも薄めの層にて、萎凋が行われ、発酵を強めに行うことで作られます。

正山小種/桐木水仙紅茶の製法

原料茶葉 → 萎凋 → 揉捻 → 発酵 → 発酵止め → 乾燥  → 炭焙

正山小種の場合、一般的な紅茶の生産工程に加え、炭火による炭焙工程があります。これは何かというと、紅茶を炭火にて100℃前後で6時間くらいかけて焼き上げる事でお茶の熟成を加速させ、乾燥フルーツのような甘い濃厚な香りを引き出します。炭焙を行う際、温度が高いと茶葉が焦げてしまうため、常に温度管理をする必要があり、非常に手間のかかる作業です。尚、熱風で焙煎をする生産者もおりますが、炭火で焙煎したお茶と熱風で焙煎したお茶では、味の透明度が全く異なります。炭火は熱の透過性が強く、お茶の芯まで熱が通るのに対し、熱風は熱の浸透性が良くないために、表面ばかりが加熱され、茶葉内部まで均質に熱をかけることが出来ないためです。


香りはサツマイモと桃の香り、仄かにマンゴのような香りします。乾燥竜顔のような香りもし、全体にとても甘い香りがするお茶です。

お買い物は此方から

袋小:   30g / 価格 1980円(税抜き)
クリックして買い物カゴへ

缶入り:   50g / 価格 3200円(税抜き)
クリックして買い物カゴへ

袋大 :   150g(50g x 3) / 価格9,300円(税抜き)
クリックして買い物カゴへ

お値打ちパック : 600g(袋大150gを4袋: 50g x 12) / 価格30,700円(税抜き)
クリックして買い物カゴへ

日本茶(緑茶)、中国紅茶、白茶、プーアル熟茶、プーアル生茶、ジャスミン茶、烏龍茶という厳選された茶葉7種のお試しセット

この記事に関連するHOJO Teaの商品


関連記事 RELATED ARTICLES

お茶に関する最新情報を確実にキャッチするには? SOCIAL NETWORK

1,Twitterをフォローする。2,FaceBookで「いいね!」を押す。3,メールマガジンに登録する。という3つの方法で、お茶に関する最新情報をキャッチすることができます。今すぐ下のツイッターフォローボタンや「いいね!」をクリック!

メールマガジン登録で無料サンプルをもらおう!
メールマガジンにご登録いただくと無料のサンプル茶葉のプレゼントや希少商品の先行購入など様々な特典がございます。ソーシャルメディアの購読だけでなく、メールマガジンへのご登録もお忘れなく!

HOJO TEAオンラインショップNEWS一覧を見る

東山生茶・白毫銀針・茉莉銀針の3種類のお茶を発売
東山生茶2023、白毫銀針、茉莉銀針の3種類のお茶を発売しました。 東山生茶2023 https://hojotea.com/item/d63.htm 東山生茶2023を発売しました。東山生茶は当店でも非常に人気の高いお …
大雪山野生茶(生茶)2023年・2024年産 同時発売
大雪山野生生茶の2023年産と2024年産を発売しました。 2023年産については、マレーシアの倉庫で1年間熟成しております。 https://hojotea.com/item/d27.htm   雲南省でも入 …

最新の記事 NEW ARTICLES

東山生茶・白毫銀針・茉莉銀針の3種類のお茶を発売
東山生茶2023、白毫銀針、茉莉銀針の3種類のお茶を発売しました。 東山生茶2023 https://hojotea.com/item/d63.htm 東山生茶2023を発売しました。東山生茶は当店でも非常に人気の高いお …
大雪山野生茶(生茶)2023年・2024年産 同時発売
大雪山野生生茶の2023年産と2024年産を発売しました。 2023年産については、マレーシアの倉庫で1年間熟成しております。 https://hojotea.com/item/d27.htm   雲南省でも入 …
佐渡無名異焼作家の渡辺陶三作:野坂粗土還元急須が入荷
野坂粗土還元焼成の茶器を発売しました。 今回入荷したモデルは、茶壺(後手急須)、フリーカップ、マグカップの3点です。 https://hojotea.com/item/tozo_nosaka_reduction.htm …
佐渡島の渡辺陶三製作:野坂粗土酸化焼成の茶器が入荷
佐渡島の陶芸家、渡辺陶三氏による「野坂粗土酸化焼成」の茶器を発売いたしました。 https://hojotea.com/item/tozo_nosaka.htm   野坂は佐渡島の沢根にある地区名で、相川金山に …
2300mの野放茶園産、高山白茶を発売
高山白茶を発売しました。 このお茶の茶園には、次の2つの特徴があります。 1. 標高2200-2300mに位置する茶園 2. 完全に野生化したお茶の木で構成される野放茶園 非常に理想的な環境ゆえに、お茶の品質も素晴らしく …
標高2100mの無農薬・無肥料茶園産の高山紫茶2024
2024年産の高山紫茶を2種類発売しました。 https://hojotea.com/item/d53.htm 2種類とも、同じ生産者が同じ地域内に保有する茶園の茶葉ですが、茶園の位置が異なり、また、生産日も異なります。 …
大雪山野生茶(普洱生茶)2024の散茶を限定発売
大雪山野生茶は、雲南省臨滄市永徳県の大雪山に自生する野生のカメリアタリエンシスから作られたプーアル生茶です。 野生茶とは 野生茶とは、樹齢が高いお茶や野生化したお茶ではなく、山に自生している天然のお茶を指します。 過去に …
鳳凰単叢烏龍茶の産地、潮州市鳳凰鎮を訪問(2024)
先月、鳳凰単叢烏龍茶の産地である潮州市鳳凰鎮へ、仕入れと生産者との打ち合わせを兼ねて出張しました。ちょうど台風の時期と重なり、山から潮州に戻れなくなるなどのハプニングもありましたが、無事に仕入れを終えました。鳳凰鎮にはこ …
前川淳蔵作の伊賀天然朱泥急須、宝瓶各種入荷
前川淳蔵作の伊賀天然朱泥の茶器が入荷しました。 今回入荷したのは、丸型宝瓶、急須、絞り出し、茶海です。 https://hojotea.com/item/maekawa_iga.htm 数百年前に古琵琶湖の湖底に沈殿した …
佐渡島:渡辺陶三作、無名異上赤茶壺と宝瓶が入荷
渡辺陶三氏作の無名異常赤急須および宝瓶が入荷しました。今回の入荷品は、後手タイプが中心です。 https://hojotea.com/item/tozo_joaka.htm 非常に稀少な上赤 「上赤」は、佐渡島の相川金山 …

PAGETOP