半ば好奇心から、大雪山野生生茶をベースとしたジャスミン茶を作ってみました。
日本はもちろん、中国でも極めて珍しいお茶ができました。

https://hojotea.com/item/s08.htm

ジャスミン茶を特注生産できる生産ネットワーク

当店では、春にベースとなるお茶の仕入を各種産地で行い、そのお茶を広西壮族自治区のジャスミン茶生産工場へ輸送することで、ジャスミンの着香作業(香り付け)を行っております。
この独自のサプライチェーンゆえに、自社で仕入れたあらゆる種類のお茶をジャスミン茶に加工できるという強みがあります。これまでも当店オリジナルの原料を使用し、プーアル生茶、野生白芽、プーアル熟茶、茉莉銀針、スノージャスミンなど、多くのオリジナルジャスミン茶を開発してきました。

ベースの茶葉には大雪山野生茶を使用

今回、強い好奇心で、野生のプーアル生茶をジャスミン茶に加工しようと思いつき、特注生産を行いました。

野生茶とは、茶園で栽培される一般的なお茶や、自然栽培茶(野放茶)、放棄茶、茶山のお茶とは全く異なります。このお茶は、山の中で完全に自生し、人の手を一切加えずに成長した純粋な天然のお茶です。天然の魚介類と同じで、自然の中で時間をかけてゆっくり成長することから、素材としては抜群の品質のお茶です。

使用した原料は、当店で販売している「大雪山野生茶」です。大雪山野生茶は、カメリアタリエンシスという種から製造されたお茶です。一般的な茶は、カメリアシネンシス(学名上、カメリアは属を指し、シネンシスは種を指します)と呼ばれる種から作られます。タリエンシスはシネンシス種と近縁とされています。

野生茶の写真

カメリアタリエンシスのお茶は、ブドウや若木の皮のような独特な香りを持っています。何よりも、野生の素材からくる特徴的な要素として、山菜のような強烈で持続する余韻が挙げられます。また、タリエンシスの特徴である非常に太いボディも感じられ、その味わいはまさに個性の塊です。もちろん、当店でも大雪山野生茶は非常に人気のあるプーアル生茶です。

私の経験上、このお茶がジャスミン茶に加工されるのは聞いたことも見た事もありません。ただでさえ、希少性が高く、入手が困難な野生茶であり、野生のプアール生茶自体が人気があるため、ジャスミン茶に加工されることは日本は元より、中国でも過去にも例が無いように思います。

*大雪山野生茶(プーアル生茶)

https://hojotea.com/item/d27.htm

*大雪山野生白茶

https://hojotea.com/item/w11.htm

ジャスミン茶の特注生産に必要な手間のかかるサプライチェーン管理

3月に雲南省の生産者から大雪山野生茶を仕入れた後、まず、福建省に送り、そこでパール状に丸める作業を行いました。
元々、タリエンシス種は大ぶりなサイズのお茶であるため、丸めたパールは南洋黒真珠のような外観になってしまいました。
パール状に丸めた茶葉は、広西壮族自治区に転送され、良質なジャスミンの花が開花した秋口に着香作業を行いました。

ジャスミン茶らしくないジャスミン茶

お茶を淹れる前の乾燥茶葉からはジャスミンの香りがしっかり感じられるのですが、実際にお茶を淹れてみると、不思議にもジャスミンの香りは穏やかに感じられます。
余韻が非常に長いため、香りに深みが生じ、それゆえにジャスミン香りが穏やかに感じられるのかもしれません。また、お茶を飲んだ時は、野生茶の独特の香りはあまり感じられませんが、飲み終わったあとに、野生茶らしい香りがゆっくりと立ち上り、口の中に悠然と漂います。

香りの印象としては、ジャスミン茶というよりも、ミカンのような柑橘系の香りに感じられます。素材の質が余韻に強く反映され、一口飲むと体が熱くなり、すぐにお茶酔いが感じられる力強いお茶です。素材の高品質さから社内の試飲者は一様に、「ジャスミン茶らしくはないが、味が深く、いつまでも飲んでいたいお茶」と評価していました。

尚、生産量は限られておりますので、在庫が終了し次第終売となります。

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