鳳凰単叢の紅茶を入手

[2012.01.26] Written By

現在マレーシアのKLに来ております。
昨日からこちらは中華正月となり、店の従業員が皆実家に戻ってしまっているために、店番をしております。
来月まではこちらマレーシアのオペレーションに携わり、3月以降は茶園を巡り仕入れが始まります。
日本の寒い季候から突然トロピカルな季候へと来たため、体が中々順応できません。
体の周りにもう一層の膜があるかのような変な感触が暫く続いております。
今日久しぶりに様々な紅茶のテイスティングを行いました。
2010年に鳳凰山を訪問した際、鳳凰単叢を原料に作られた紅茶を仕入れました。
業者の方が趣味半分に作った紅茶で、今後は製造する予定はないとのことだったので、「これは逃してはいかん!」と思い、少量だけ仕入れました。
喉越しが非常にやわらかく、独特の味が特徴の紅茶です。
欲を言うと、鳳凰烏龍の作り方で萎凋を行い、最後に少しだけ発酵を加える作り方で仕上げて欲しかったです。この方法で作った紅茶は鳳凰単叢の烏龍のような完熟フルーツの香りがする、伝統的な正山小種とかなり近いお茶になると思います。
私が仕入れた紅茶は、どちらかというとオーソドックスな紅茶の作り方で作られております。このお茶は鳳凰山の中でも烏崠山産で、茶葉の見た目は鳳凰単叢烏龍そのものです。
味ですが、非常に深く柔らかな喉越しが特徴です。喉をスルスルと伝わるように落ちてゆきます。例えるならば、30年以上熟成されたウイスキーかコニャックのような感じです。この表現が適切か分かりませんが、フレッシュなブランデーでとは異なるように感じます。
華やかな香りを放つわけではなく、落ち着いた味わいと、仄かに立ち上る香りを楽しむタイプのお茶です。また、飲むと心地よい苦みが感じられます。この苦みは、夏摘み茶の不快な苦みでもなく、また、野生茶のような朝鮮人参的な苦みでもありません。
カルアーの原液を飲んだときのような、コヒーゼリーのような好ましい感じの苦みです。おそらく、鳳凰単叢特有のポリフェノールが発酵した際に形成された特殊なタンニンの味ではないかと思います。
これまでにない香りと味のお茶で、紅茶好きの人には是非飲んで頂きたいお茶です。淹れ方は蓋碗を用いて、工夫茶方式で淹れてみました。蒸らす時間は数秒ですが、毎回濃い水色が得られ、20煎近く淹れることが出来ました。
今の状態で発売しても良いのですが、私としてはもう少し個性的なお茶に仕上げたいと考えております。
そこで、現在脱酸素状態にて常温下で保存し、熟成を行っております。もう一夏くらい超せばフルーティな香が強くなってくると思います。
今年の夏過ぎに試飲してみて未だ個性が弱いようでしたら、発売は来年の秋になるかも知れません。
写真を取り忘れてしまったので、数日内に写真を撮影しアップしたいと思います。

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