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プーアル茶の圧縮と熟成の深い関係
- [2013.10.15] Written By 北城 彰(Akira Hojo)

なぜ、プーアル茶は円盤状やブロック状に圧縮されているのでしょうか?
圧縮する事で、運搬しやすくする答えも正解ですが、実はもう一つあまり知られていない理由があります。
プーアル茶を理想的に熟成するには無酸素状態にすること
私は過去に様々な条件でプーアル茶の保存と熟成の関係を検証してきました。空気にさらした状態、真空の状態、酸素を100%除去した状態など、条件を変えて保存をした結果、空気を完全に除去した状態のプーアル茶が最も理想的な熟成をすることが分かりました、空気にさらした状態で保存したお茶の場合、表面にカビが生育したり、また、数年経過した時点で香りが土のような不快な香りへと変化しました。それに対し、無酸素状態で保存したプーアル茶の場合、甘い蜜のような香りが形成され、さらに保存期間が増すことで、サトウキビのような、乾燥フルーツのような濃厚な甘い香りが形成されました。これら一連の実験から、私はプーアル茶を理想的に熟成するには無酸素であることが重要と考えております。
プーアル茶の熟成は発酵ではない
プーアル茶の熟成は、「発酵」と主張する人がおりますが、これについては同意しません。その根拠として酵素が発酵するためには、水分が必要条件だからです。仮に、湿度の高い部屋にて、酵素が活性を示すだけの水分が茶葉に付与された場合、酵素ばかりか細菌をはじめとする微生物も増殖します。長期間保管されたプーアル茶の中には、強い土の香りを発するものがありますが、これは保存期間中に微生物が増殖したことによる劣化の産物と考えております。
お茶の熟成は酸化還元反応
お茶を保存することによる、香りの熟成の本体は他でもない「酸化・還元反応」です。なぜ、酸化と還元をセットにしているかというと、一方が酸化すれば他方は必ず還元されます。酸化反応と還元反応は必ず対で起こります。ただし、お茶の成分が空気中の酸素により酸化された場合、お茶は劣化します。熟成をする上で理想的なのは、空気中の酸素を伴わない酸化還元反応です。化学における酸化の定義はは以下の通り、必ずしも空気中に酸素は必要ありません。
- 酸素を受け取る
- 水素を渡す
- 電子を渡す
以上の酸化の定義から分かるとおり、お茶は空気中に全く酸素が無い状態でも、酸化還元反応をします。
空気を除去するには吸引だけでなく圧縮も有効
話をプーアル茶を圧縮する理由に戻します。プーアル茶を酸素のない状態で保存しようと思ったら、空気を吸って真空にするか、逆に圧縮する事で空気を追い出し真空にするかのどちらかしかありません。当然、雲南省の山奥に、真空包装機などはありません。吸引の代わりに茶葉を圧縮すれば茶葉内部は真空になります。私は、「プーアル茶を圧縮するのは、空気を除去することで、理想的な熟成環境とすることが1つの目的」と仮定しております。

一昔前のプーアル茶は鉄餅と呼ばれ、カチンコチンに圧縮
因みに、一昔前のプーアル茶は今と異なり非常に強く圧縮されました。鉄餅と呼ばれ、カチンコチンに圧縮されており、ナイフを使っても、千枚通しを使っても、全く崩すことが出来ない程に固く圧縮されておりました。私の経験上、鉄餅の場合、どれも理想的に熟成されております。カチンコチンに圧縮する事で、内部の空気が完全に排除されており、また、保存期間中も空気が入り込む余地がないため茶葉表面を除く、内部の茶葉は極めて理想的に熟成されたものと思います。それに対し、近年のプーアル茶はゆるめに圧縮されております。鉄餅のようにカチンコチンに圧縮すると、お客さんからのクレームが多発するために、私達お茶会社としてはゆるめに圧縮し、ほぐしやすいようにしております。ただし、現代風の緩い圧縮方法の場合、茶葉内部に空気が残存しており、また、保存中に空気が内部に侵入するため、普通に保存したのでは茶葉は表面ばかりか、内部まで酸化劣化します。
HOJOではプーアル茶を包装する際には、空気を100%除去した状態にて包装しております。この包装方法をすることで、ほぐしやすさと、理想的な経年熟成の両方を求めております。このような理由により、プーアル茶を熟成目的で長期保存する際には、未開封の状態で保存してください。
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