雲南省
あと2週間もするとプーアル茶の仕入れのため、私は雲南省へに出発します。情報によると、今年の雲南省では日照りが続いております。

日照りが続くと、お茶の見た目は悪くなりますが、成長が遅くなることから茶葉に含まれるミネラルが増し、その結果ボディもコクも強いお茶になります。ただ反面、日照り続きは生産量に影響します。今年は生産量が落ちており、原料となる生茶葉の値段が10-20%程上昇ししております。しかし、プーアル茶の毛茶(製茶後、緊圧前のお茶)ともなると、値段は昨年の2倍、3倍となっており、有名産地ほどに酷い状況です。
雲南省

生産者による意図的な値段操作

需要の上昇や、生産量の減少が値段上昇の主要因ではなく、製茶業者による投機的な値段設定に問題があります。ここ数年で劇的に道路工事が進み、これまでアクセスが困難だった地域へ、素人も含めバイヤーが容易にいけるようになった結果、生産者としてみると「うちのお茶が倍の値段でも売れたよ!」というような噂が噂を呼び、その結果、右にならえで皆が同じように値段をつり上げ、雲南省全体に連鎖反応を起こしております。また、中国における不動産取引への不安からお茶に投機マネーが流入したことも原因の1つと言われております。この状況は2007年のプーアル茶バブルの再来であり、その後2008年にバブルが崩壊したのと同じように、数年後には値段崩壊と共に終了すると推察されます。
プーアル茶の日干し

プーアル茶

中には良心的な生産者も

以上の状況から私の会社では今年は例年に増して各生産者と連絡を密にとっており、値段の事前把握に努めております。そのうちの何人かは昨年の2倍、3倍の値段設定という暴挙に出ており、他にも、既にお茶が生産されているにもかかわらず、値段を言いたがらない生産者も何人かおります。ただし、中には現実的で、良心的な値段設定をしている業者がいるのも確かです。逆に今年のような状況になることで、どの生産者が信頼できるか非常に浮き彫りとなるため、考えようによっては悪いことばかりではありません。

雲南省

品質・値段共にバランスの取れた商品が仕入れられるよう今から様々な策を練っております。品質が変わらないのに値段だけ極端に上がる事のないように努力したいと思います。

追記

現時点はまだお茶が出始めたばかりと言うこともあり、生産者の期待値がそのまま値段情報という形で飛び交っております。ただし4月の中旬くらいまで時期が進むことで、実際の取引が活発化します。仕入れをする側としては、値段に納得ができてない為、実際には生産者の期待する値段での取引が成立しない事も想定され、その場合、生産者の意に反して値段が崩れることも考えられます。

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