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本物の凍頂烏龍茶の見分け方しってますか?
- [2014.08.01] Written By 北城 彰(Akira Hojo)
凍頂烏龍茶は多くの人が知っているお茶であり、台湾茶の代名詞と言っても過言ではありません。台湾を旅行すると凍頂烏龍茶はあらゆる場所に溢れております。値段もピンキリで、火が入っているタイプから、スッキリした清香型のお茶まで多種多様です。実際、何をもって「凍頂烏龍茶」と定義するのでしょう?
本物の凍頂烏龍茶は鹿谷村産
本物の凍頂烏龍は鹿谷という村、つまり、凍頂山という山で栽培されたお茶を指します。凍頂山は標高800m程度の低い山であり、標高の点では、阿里山、梨山などの高山に圧倒されます。
ただ、そんなことはあまり重要な問題ではありません。
凍頂烏龍茶の唯一の特徴はフルボディ
実は凍頂烏龍茶の最大且つ、唯一の特徴は、その圧倒的なボディにあります。ボディとは日本語で言う、ふくよかさ、横の広がり感、重量感、味わいの豊かさを意味する言葉です。
強いボディのお茶は、お茶を口に含んだときに、香りに広がりがあり、ふくよかな甘味が感じられます。
「ボディ云々」という話をすると、難しそうなイメージを持たれるかもしれませんが、一般にボディの強いお茶は香り豊になるため、黙って出しても多くのお客様に好まれる傾向があります。
実際、中国におけるお茶の有名産地で作られるお茶の多くは、ボディが強く、ボディの強いお茶はそれに相関して値段も高くなる傾向があります。プーアル茶の老班章、易武、君山銀針などが例です。
お茶の味・香りを豊にする魔法のような土
ボディの強弱ですが、土壌の質で決まります。つまり、土地に由来し、私の経験・観察に基づく限りでは、アルカリミネラルがボディの強弱に関係しています。例えば、貝の味噌汁は貝殻入りだと強いボディを示しますが、むき身で作るとボディが弱く感じられ、味にものたら無さを感じます。貝殻に含まれる炭酸カルシウムが関係しており、同様の理由から、石灰岩質の土壌で作られた蜜柑は強いボディを示します。
凍頂山は決して高い山ではありませんが、凍頂山の土は魔法のような土で、ここで作られたお茶には強いボディがあります。
土が優れていると言うことは、お茶だけでなく、凍頂山で作られる野菜にも強いボディが感じられます。また、凍頂山周辺の水についても同じくボディが感じられ、大変飲みごたえがあります。
コクは凍頂烏龍茶を判断する指標にはならない
因みに、お茶の個性を構成するもう一つの要素である「コク」ですが、コクについてはお茶の作り方によって如何様にも変化します。自然栽培をすれば、コクは強くなるし、肥料を与えればコクは弱くなります。つまり、コクでは凍頂烏龍茶が本物かどうかといった判断をすることは不可能です。
茶葉の香りを嗅げば本物の凍頂烏龍茶かどうかは判断が可能
まとめると、本物の凍頂烏龍茶とは鹿谷と呼ばれる凍頂山で作られたお茶を指しており、お茶の特徴として、強いボディが感じられます。このことから、ある程度テイスティングの訓練を受けた人であれば茶葉の香りを嗅げば、ボディを指標にすることで凍頂烏龍茶が本物か、偽物かを判断する事が可能です。
私の販売する凍頂烏龍茶のうち、「凍頂烏龍 清香型」以外は全て、鹿谷で作られたお茶であり、強いボディを伴う豊かな香りがします。清香型は周辺地域産と言うこともあり、ボディは軽めで、豊かな香りと言うよりもスッキリとした香りがするお茶です。初心者やスッキリとしたお茶が好きな人に飲んで貰うことを意識しつつ仕入れました。
現在台湾には凍頂烏龍と言う名のお茶は簡単に入手が可能ですが、本物の凍頂烏龍茶はごく僅かです。鹿谷産のお茶は稀少ゆえに高価であり、実は中々お目にかかれないのが実情です。
台湾茶を選ぶ際は、山の標高ばかりにとらわれず、是非、凍頂烏龍にこだわってみられては如何でしょうか?
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