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野生茶と見間違うほどの自然栽培茶園
- [2015.04.18] Written By 北城 彰(Akira Hojo)
中国茶の中でも私は雲南省のお茶の仕入や現地の視察に非常に多くの時間を注いでおります。
その理由は明確で、中国全土、或いは世界中のお茶の産地を見回しても、雲南省ほどに農薬も肥料も使わない自然栽培茶が残っている地域はありません。ただし、雲南省でも9割以上の茶園は自然栽培の状態を維持しておりません。自然栽培茶を仕入れるためには、それなりの場所へ行く必要があります。
雲南省というとプーアル茶というイメージが強いと思いますが、それは全体論であり、生産者を注意深く捜せば、緑茶、白茶、紅茶、烏龍茶など、様々なお茶が生産されております。
完全自然栽培茶を求め劉氏の茶園を訪問
私にとって、自然栽培茶とは周りの生態系に溶け込み、生態系の一端を担っているお茶と定義しております。今回の雲南省出張時、私のお付き合いしている茶師の1人である、劉氏が自ら管理する自然栽培茶園を訪問しました。劉氏は自然栽培茶を非常に愛しており、肥料や農薬を与えないのは勿論、雑草に決して刈り取らない方針が採られておりました。
自然栽培茶園への到達は非常に困難
自然栽培と言っても、いろんな方式の茶園がありますが、今回訪問した茶園は果たして自然栽培と呼ぶべきか、或いは、放棄茶園とでも呼ぶべきか悩むほどに、お茶が山と一体化しているように思われました。まさに、自然栽培原理主義とでも言うべき状態の茶園でした。劉氏の後を歩くこと、30分〜1時間、標高2000-2100m付近の目的地に到着しました。この山の斜面を登るのは大変な苦労で、動物のように四つ足で這ったり、滑り降りたり、ジャンプしたりとまるで、山岳部が道無き山を進んでいるような状況でした。
自然の中で黄色に輝く自然栽培茶
最初、「ここが茶園です」と言われても、その場所はどうみても山にしか見えないような雑草地帯でした。よく見れば、黄色の葉の植物が疎らに点在しており、経験からそれらがお茶の木であることが認識できました。お茶の木は人の手を完全に離れた山の斜面にて、力強く育っておりました。人が肥料を与えて育てたお茶の木は、肥料を吸収して勢いよく伸びようとすることから、光合成量が増し、その結果とても濃い緑色になりますが、劉氏の自然栽培茶園のお茶は、極めてゆっくりと成長していることからバナナの皮のように黄色をしておりました。お茶の葉は金色に輝いて見え、表面が艶々していることから、とても健康的で美しく感じられました。
肥料栽培茶と自然栽培茶の見分け方
無肥料にて、周りの生態系と共に育ったお茶の木は、現代農業方式で管理された茶園のお茶の木と比べると非常に成長速度が遅いのが特徴です。これを茶葉から見極めるポイントとしては、茶葉が黄色みを帯びていること、葉脈が細いこと、葉のサイズが小さいことに加え、葉と葉の感覚が狭いことが重要な要素となります。
肥料を吸ってグングンと成長しているお茶は、葉と葉の間隔が広く、逆に自然栽培のお茶の場合、2葉目と3葉目の付け根がほぼ同じ位置にあります。
茶園丸ごと仕入劉家古樹生茶の名称で販売予定
この茶園のお茶は殆ど苦味が無く、深いコクゆえに、茶葉を噛むと、喉の奥に余韻を伴う甘みが感じられ、生茶にもかかわらずマスカットを連想するような香りが感じられました。お茶がたくましく成長している姿に感化され、この茶園のお茶は全て仕入れました。茶摘みが非常にやりにくい茶園ゆえに、なかなか茶摘みをする人の確保に手間取ったようですが、私が全量予約をしたことから、最終的に人の手配をして貰え、プーアル生茶に仕上げて貰うことが出来ました。
劉氏の所有する茶園ゆえに、劉家古樹生茶 2015の名称で販売予定です。(なお、劉家古樹生茶2014も同じく劉氏の所有する自然栽培茶園ですが、2015年に仕入れた茶園とは異なる茶園です。)
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