中国雲南省、最北端のプーアル茶産地、昌寧

[2012.05.18] Posted By

私が雲南省へ行く際には、半分は仕入れの旅で、半分は自分の知らない産地の新規開拓を行っております。今回は何カ所かこれまでに行ったことのない土地へと足を踏み入れました。
Changning.jpg
その1つが、昌寧(チャンニン)という地域です。
この地域は保山市と呼ばれる地域に属します。
昌寧はプーアル茶の産地の中でもかなり北に位置し、また、前情報によると、1000年を超える古い木がある事が分かっておりました。
私としてはかなり期待していたのですが、臨滄市で出会ったお茶業者に、「昌寧のお茶はどうですか?」と訪ねると、決まって、味が薄いという答えが戻ってきました。
そうは言う物の、自分の目で確認しないことには納得が出来ないため、数泊の予定で出かけました。
昌寧へ行くには2つの方法があり、大理から保山市経由で下る方法と、雲県から雲南紅茶の産地である鳳慶を経由していく方法があります。
昌寧について気がついたのですが、この地域はその殆どが漢民族により構成されておりました。
これはある意味危険信号です。漢民族が運営する農場は、私の経験上、その殆どが現代農業により管理運営されており、お茶の味が薄っぺらくなる傾向があります。
漢民族はビジネスに長けており、収量を増やそうとするがあまり、施肥や剪定をし過ぎてお茶の品質を下げてしまうのです。
しかも漢民族の農家は、非常にビジネス能力が高いため、自分で自分のお茶を売ろうとします。
インターネットを使ったり、昆明の茶商に売り込んだり、或いは、広東省へ営業へ出向いたり、、、
昌寧で衝撃的だったのは、どの農家へいっても、今、老班章のお茶はいくら、易武のお茶はいくら、と他地域のお茶の値段を異常に意識しており、自分たちの値段も高いお茶を参考にして設定しているようでした。臨滄市の奥地で合った少数民族農家は、他の地域の値段なんて全く知りませんでした。
昌寧のもう一つの問題点は、隣町が鳳慶だと言う点です。
鳳慶は雲南紅茶の一大産地で、鳳慶の街へ行けば一目瞭然ですが、紅茶の需要は年々高まっており、街自体が見て分かるほどに潤っておりました。
雲県から鳳慶に入ると、雲県では見られなかったような豪邸が沢山建ち並んでおり、町並みも雲南省とは思えないほど整然としておりました。
鳳慶では自分の郡だけでは紅茶用の原料が足りません。この為、鳳慶では多くの原料を昌寧から仕入れており、その為に、昌寧の原料茶葉の価格が引き上がってしまっております。鳳慶も昌寧も漢民族により占められている郡ゆえに、お互いに商売をし易い関係にあるのです。更に、昌寧ではもう1箇所に大量の原料を供給しているそうです。それは、勐海。勐海と言えば、四双版納に位置するプーアル茶の代名詞のような場所です。こちらも漢民族が占めており、漢民族繋がりで昌寧のお茶がかなり流れているようです。
R0010469.jpg
鳳慶の主要茶園エリア:茶園内に建っている家も3階建てが殆ど
R0010500.jpg
鳳慶の高級住宅地:車から撮った写真
昌寧でも老木を見せて貰いましたが、どれも過剰な窒素肥料の施肥と剪定により、葉が巨大化し、その表面はワックスがかかったようにギラギラとしておりました。
聞いた話によると、この地域ではお茶は年間9回も摘まれます。紅茶としての原料需要があるために、摘める限り徹底的に摘むようです。
茶葉を食べてみるまでもなく、香りも味も薄く、全く喉越しが感じられない、まるで茶園産の茶葉のようでした。
R0010484.jpg
昌寧の老木
IMG_1650.jpg
この地域でも老木神話が横行しておりました。
お茶の品質は二の次です。お茶を選ぼうとすると、「このお茶の品質は・・・」という話は全くありません。ひたすら、木がどれほど老木で、どれだけ貴重で、他の地域でこれだけの老木は幾らぐらいする等々の話を聞かされました。
私はストーリーに対してお金を払うわけにはいきません。自分の求める品質規準と価格規準がありますので、それに合わなければ例え樹齢1万年の木から採れたお茶でも買いません。
昌寧では仕入れられそうなお茶は見つかりませんでした。しかし、昌寧のお茶事情が明確になったことは、私にとっては良い結果でした。

関連記事 RELATED ARTICLES

お茶に関する最新情報を確実にキャッチするには? SOCIAL NETWORK

1,Twitterをフォローする。2,FaceBookで「いいね!」を押す。3,メールマガジンに登録する。という3つの方法で、お茶に関する最新情報をキャッチすることができます。今すぐ下のツイッターフォローボタンや「いいね!」をクリック!

メールマガジン登録で無料サンプルをもらおう!
メールマガジンにご登録いただくと無料のサンプル茶葉のプレゼントや希少商品の先行購入など様々な特典がございます。ソーシャルメディアの購読だけでなく、メールマガジンへのご登録もお忘れなく!
  •                 

HOJO TEAオンラインショップNEWS一覧を見る

現地でも珍しい台湾烏龍茶2種を予約販売
台湾に1週間程滞在し、烏龍茶の仕入れをしてきました。台湾茶の仕入れをする際は、例年と同じレベルの品質と価格を維 …
渡辺陶三 野坂粗土
無名異、信楽、伊賀の急須・宝瓶各種入荷
各種茶器が入荷しました。今回入荷した茶器は、渡辺陶三氏作の秋津無名異酸化焼成、炭化還元焼成、野坂粗土還元焼成、 …

最新の記事 NEW ARTICLES

現地でも珍しい台湾烏龍茶2種を予約販売
台湾に1週間程滞在し、烏龍茶の仕入れをしてきました。台湾茶の仕入れをする際は、例年と同じレベルの品質と価格を維 …
安渓の烏龍茶を鳳凰単叢烏龍のように仕上げる実験
潮州を代表する鳳凰単叢烏龍茶は、お茶とは思えないレベルのフルーツのような甘い香りがするお茶です。初めて飲まれる …
渡辺陶三 野坂粗土
無名異、信楽、伊賀の急須・宝瓶各種入荷
各種茶器が入荷しました。今回入荷した茶器は、渡辺陶三氏作の秋津無名異酸化焼成、炭化還元焼成、野坂粗土還元焼成、 …
日当たりの優劣とお茶の味香りの関係
同じ無肥料の自然栽培茶であっても、日陰や森の中で作られたお茶と日が良くあたる場所で作られたお茶は香りや味に大き …
雲南省の自然栽培茶から作る白茶!白牡丹
HOJOでは雲南省の標高2100mクラスに自生する老樹から収穫された茶葉を用い、オリジナルの白牡丹を作りました …
老木の自然栽培茶から作られた大茶頭を予約販売
茶頭はプーアル熟茶の発酵過程で自然に形成される塊です。今回、茶頭の中でも、大茶頭と呼ばれるとても珍しい茶頭を入 …
中国緑茶2018を4種類発売!
2018年産の中国緑茶を複数発売しました。今回は晴天が続いたことでお茶の素材が非常に良く、例年と比べて、非常に …
高い品質のお茶ほど成長が遅い
3月に雲南省入りし、既に1ヶ月が経過しました。ここ臨滄地域の場合、春の1番茶は3月の20日頃から茶摘みが開始さ …
大雪山野生白茶とプーアル生茶の散茶を限定予約販売
今年も大雪山産の野生茶を原料にプーアル生茶と白茶の生産を行いました。今年は中華正月以降、殆ど雨が降らなかったた …
ゴールデンチップを多く含む紅茶は本当に美味しい?
紅茶に含まれる金色の芽のことをゴールデンチップと呼びます。「ゴールデンチップが多いから稀少」、「ゴールデンチッ …

PAGETOP