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プーアル茶専門家が好むのは新茶

プーアル茶の場合、長く保存すればする程良いと声高々に言う人がおります。
しかし実際は、雲南省でプーアル茶を扱っている専門家の多くは、新茶を好んで飲みます。

私は様々なプーアル茶を飲む機会がありますが、最も好きなのはと聞かれると、やはり新茶です。
勿論、数年から10年ほど上手に熟成されたプーアル茶も美味しいのは確かですが、どちらかと言うと秋〜冬に向いているように思います。
一方、20年とか30年保存されたプーアル茶に関しては個人的に好きではありません。すすめられても、私は渋々飲みます。
脱酸素シールした状態できちんと保存されたお茶ならともかく、大気開放の状態で数十年保存されたプーアル茶は、土のような香りがして個人的に美味しいと思いません。もちろん、極めて希ですが、熟成が上手にできており、飲んで美味しいお茶が有るのも確かです。

 

古いお茶=美味しいという伝説ができたのには理由があります。

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この様な茶園は1970年以降に急速に発展しました。茶摘み体験をしているのは私です。

1970年以前は雲南省にはティーガーデンはなかった

プーアル茶のブームは1960年代くらいから徐々に高まりました。特に1970年代にプーアル熟茶が世に出てからは、需要が劇的に増え、安い原料を調達するために大規模な茶園が開発され、日本のような現代農業による農園経営が行われております。
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実際、1970年以前は雲南省には「茶園」はありませんでした。それまでは、茶園ではなく、少数民族が所有する老木(ブッシュ)しか有りませんでした。
1970年以前は、州立の工場であっても、原料は少数民族から仕入れたものを工場で加工しておりました。

1970年以前は殆どのお茶の木が自然栽培により管理されていた

プーアル茶の需要が大きくなかった当時、少数民族は完全な自然栽培を実施しており、お茶の原料の質は飛び抜けて良質でした。1960年代と言えば、今から50年前です。当然、50年前のプーアル茶を飲めば、普段、茶園産の味の薄いお茶しか飲んだことのない人にとっては衝撃的でしょう。強いコクとボディ、奥深いまろやかな味が感じられるはずです。

 

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茶摘みをする傣族の青年

これは長期に保存したからこの様な品質になったわけではなく、1960年代に集められた原料の質が良かったためです。低品質の原料から作られたお茶を50年間保存したとしても、この様なコクや深い味は得られません。お茶の場合、原料の品質が非常に高い場合、その圧倒的な存在感から、香りが多少変でも美味しく感じられる物です。これが、古いお茶 is the ベストの神話が生まれた主たる理由です。

現在でもある高い品質のお茶の木

現代においても、同質の原料茶葉はあります。凄くねだんが高いかというと、そうでもありません。ただ質の高い原料を見つけ出すためには、雲南省でも極めて奥地まで行く必要があります。私はそれら少数民族が作るお茶を専門に探しておりますが、奥地の少数民族から買っているため、値段はそう高くありません。

50年前に用いられていたような高品質のお茶を求めようと思った場合、臨滄奥地の無名地帯にて自然栽培のお茶を求めることが重要です。
今週は沢山のプーアル茶を発売しましたので、是非、覗いてみてください。

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