d31_03.jpg

これまで様々な条件でプーアル生茶(四双版納や无量山系)を数年保存し、熟成の仕方について評価をしてきました。

検証した保存方法

  1. 紙に来るんだ状態で日本の室内
  2. 紙に来るんだ状態でマレーシアの室内
  3. アルミバックに入れてシールをした上で日本の室内
  4. アルミバックに入れてシールをした上でマレーシアの室内
  5. アルミバックに入れ、酸素を除去した上で日本の室内
  6. アルミバックに入れ、酸素を除去した上でマレーシアの室内

マレーシアと日本の違いと言えば、マレーシアの場合、1年中30℃くらいに保たれている点です。
日本の場合、四季があるため、どうしても冬期には温度が低く熟成が進みません。
結果ですが、1と2については経年劣化したプーアル茶独特の、やや埃っぽい、藁のような香りと甘酸っぱいような香りがしました。仄かに土のような香りも生じておりました。3と4は、相対湿度が50%以下の時にアルミ袋に入れて、ヒートシーラーでシールしているため、内部は低湿度のままに維持されております。これはちょうど、雲南省の高地で保管されているのと同じような条件だと思います。
結果は1と2よりは遙かに良い香りでした。少し蜜のような香りが生じており、甘い香りがしました。ただし、はやり藁のような独特の香りがしました。

 

5と6については、茶葉は蜜のような甘い香りと、フルーツのような香りを発し、干し草のような、藁のような香りが殆どしません。一瞬紅茶か烏龍茶かと思うような香りです。特にマレーシアで保管した茶葉は、熟成が遙かに進んでおりました。
多くのプーアル茶マニアはプーアル茶は呼吸をしなければならないので、袋に入れたら駄目と言います。ただ、「呼吸ってなに?」と私は何時も不満に思っております。基本的に乾燥している状態の茶葉では、酵素も微生物も不活性であり、その様な概念はありません。熟成反応とは酸化反応の1つです。酸化と聞くと酸素が必要と思われるかも知れませんが、化学では酸化には幾つかの定義があります。

  1. 酸素を受け取る
  2. 水素を渡す
  3. 電子を渡す

つまり、酸素が無くても酸化反応は進むわけです。無酸素の状況ではポリフェノールが順序よく決まったルールに基づいて酸化されるため、理想とする香りを引き出すことができます。酸素が豊富にあると無秩序に酸化が進み、それは熟成ではなく、ただの劣化になります。
今回特に結果が良かったのは、マレーシアにて無酸素状態で保存したお茶でした。無酸素状態で高い温度の所に保管すると、熟成が早く進む事が分かりました。

日本茶(緑茶)、中国紅茶、白茶、プーアル熟茶、プーアル生茶、ジャスミン茶、烏龍茶という厳選された茶葉7種のお試しセット

関連記事 RELATED ARTICLES

お茶に関する最新情報を確実にキャッチするには? SOCIAL NETWORK

1,Twitterをフォローする。2,FaceBookで「いいね!」を押す。3,メールマガジンに登録する。という3つの方法で、お茶に関する最新情報をキャッチすることができます。今すぐ下のツイッターフォローボタンや「いいね!」をクリック!

メールマガジン登録で無料サンプルをもらおう!
メールマガジンにご登録いただくと無料のサンプル茶葉のプレゼントや希少商品の先行購入など様々な特典がございます。ソーシャルメディアの購読だけでなく、メールマガジンへのご登録もお忘れなく!

HOJO TEAオンラインショップNEWS一覧を見る

大雪山野生生茶2025年版 散茶少量入荷のお知ら
大雪山野生生茶2025年の散茶を発売しました。 https://hojotea.com/item/d27.htm 今年は生産できた量が非常に少なく、雲南省の標高2000mを超える山林に自生する茶樹から、毎年春にごく限られ …
白岩山古樹生茶2025 散茶|標高2300m・限定量入荷
白岩山高山茶2025の散茶を発売しました。 白岩山は、私たちがプーアル茶を製造している産地の中でも最も標高が高く、標高2300mの茶園から茶葉を収穫しています。 非常に限られた数量のみの入荷となっておりますので、ぜひお早 …

最新の記事 NEW ARTICLES

大雪山野生生茶2025年版 散茶少量入荷のお知ら
大雪山野生生茶2025年の散茶を発売しました。 https://hojotea.com/item/d27.htm 今年は生産できた量が非常に少なく、雲南省の標高2000mを超える山林に自生する茶樹から、毎年春にごく限られ …
白岩山古樹生茶2025 散茶|標高2300m・限定量入荷
白岩山高山茶2025の散茶を発売しました。 白岩山は、私たちがプーアル茶を製造している産地の中でも最も標高が高く、標高2300mの茶園から茶葉を収穫しています。 非常に限られた数量のみの入荷となっておりますので、ぜひお早 …
雲南省の自然栽培茶で作った釜炒り緑茶
雲南春尖緑茶を発売しました。 標高2100mにある自然栽培のお茶を原料とした、プーアル茶クラスの長い余韻が特徴のお茶です。 雲南省という比類なき茶葉原料の産地 私はお茶の会社を創業して20年間の間、あらゆるお茶産地を訪問 …
産地の潮州・汕頭で人気の鳳凰単叢八仙2022を発売
2021年以来となる鳳凰単叢八仙の新ロットを発売いたします。 今回発売するお茶は、2022年産のお茶です。数年の熟成期間を経て非常に良い状態に仕上がりましたので、販売することにいたしました。 https://hojote …
大雪山野生白茶 散茶 2025年産の新茶を発売
大雪山野生白茶2025を発売しました。 https://hojotea.com/item/w11.htm 雲南省の山に自生するカメリアタリエンシスを原料に、今年も現地で原料選別から製茶まで関わって生産しました。 野生茶な …
2025年産の古樹白茶と古樹白牡丹を発売
2025年産の古樹白牡丹と古樹白茶、2種類を発売しました。 いずれも無農薬・無肥料で作られたお茶です。 実は少し前から販売していましたが、公式にはお知らせしていなかったため、本記事を書きました。 生産者と共に作り上げるお …
東山生茶2024年産餅茶を発売
東山生茶2024の餅茶を発売しました。2024年産の東山は、以前に散茶を発売し、短期間で売り切れとなりました。今回発売する2024年産の餅茶は同じ原料から作られたお茶です。餅茶は作りたては香りが比較的穏やかな傾向がありま …
雲南省の自然栽培茶を使った薪火釜炒り焙じ茶の開発
現在、私たちは雲南省に滞在し、お茶の生産に取り組んでおります。シーズンも終盤に差しかかっていますが、この時期は特に成長が遅く、質の高いお茶が収穫期を迎えるため、最後まで気が抜けません。プーアル茶と紅茶の製造を主軸としなが …
料理から見る雲南の多様性:少数民族・四川料理の交差点
雲南省に長期滞在してお茶を作っているわけですが、雨の日や生産予定の無い日は、近隣の街のホテルに滞在しております。 ホテルに滞在しているときは、外食するのですが、私達にとって、現地での食事はお茶作りと同等に興味があり、非常 …
渡辺陶三作:秋津無名異、野坂粗土急須他入荷
佐渡島の無名異焼作家、渡辺陶三氏の茶器が多種類入荷しました。 今回は、特に、秋津無名異酸化焼成と野坂炭化還元の急須・茶壺が多数入荷しました。 https://hojotea.com/categ/teaware.htm 秋 …

PAGETOP