プーアル茶(普洱茶)には、「生茶」と「熟茶」の2種類があることをご存じでしょうか?

生茶と熟茶はどちらもプーアル茶との名称が付いておりますが、製法からして、全く異なる種類のお茶になります。
実際、プーアル生茶と熟茶は、緑茶と紅茶くらい違います。
以下、熟茶と生茶の違いを簡単に説明したいと思います。

日本で一般的なプーアル熟茶

日本では一般的にプーアル茶というと、茶色をした、カビや古い木、乾燥キノコのような香りがするお茶を想像される人が多いのではないでしょうか?
実はこのタイプのお茶はプーアル熟茶と言う種類です。因みに、上手に作られたプーアル熟茶はかび臭さは皆無で、乾燥フルーツのような甘い香りがします。

 

熟茶は、1970年代に新たに開発されたお茶で、歴史は50年程度と非常に短いお茶です。
プーアル生茶を原料に微生物発酵で作られます。基本的な製茶手順は堆肥の作り方と同じです。
生茶を堆積し、そこに水をかけて水分量を上げた後、嫌気性菌と好気性菌、更に、真菌類の発酵を経て、2ヶ月弱で完成します。

プーアル熟茶の散茶(毛茶)

熟茶は中国でも北京や東北地方のような寒いエリア、香港、台湾、東南アジアで多く消費されます。

熟茶はあらゆるタイプの食事との相性が良く、また、ミルクティにしても美味しいお茶です。

プーアル茶の初心者はまずは熟茶から飲まれると良いと思います。

雲南省でプーアル茶と言ったら生茶

雲南省でプーアル茶と言ったら、生茶をさします。

生茶は熱烈なお茶愛好家が夢中になるお茶でもあります。

プーアル生茶は800年以上の歴史を有しております。
その昔、プーアル生茶は四双版納などの雲南省南部で生産され、プーアル県(普洱県)に集積後、そこから、チベット、ミャンマー、モンゴルなどの周辺諸国へと輸出されておりました。
集積地がプーアル県(普洱県)だったために、プーアル茶と呼ばれるようになったと言われております。
輸出されたプーアル茶は、馬と交換されたことから、この交易路は、茶馬古道と呼ばれ、第2のシルクロードとも呼ばれております。
茶馬古道はプーアル茶以外、雲南ハムも交易され、これがヨーロッパにハムの製法が伝播したきっかけとも言われております。

一般に、当時の主要産地であった、四双版納の生産地は、今でも知名度が非常に高く、易武、老班章などの産地のお茶は高値で取引されております。

但し、有名になりすぎた産地では、値段の高騰が起こり、それに伴って農家は更に生産量を増やそうと肥料を大量に使用する傾向があります。

この為、有名産地になるほど、質の低下が著しく、プーアル生茶を選ぶときは、産地の知名度で選ぶのは適切ではありません。

プーアル生茶の生産は、基本、緑茶と同じ製法です。ある意味、プーアル生茶は緑茶の一種と言っても過言ではありません。
実際には緑茶よりやや低めの温度(160℃前後)で殺青(釜炒り)が行われ、揉捻した後に、天日乾燥をして完成です。

緑茶
原料茶葉→(萎凋)→殺青→揉捻→乾燥(熱風乾燥が一般的)

プーアル生茶
原料茶葉→萎凋→殺青→揉捻→天日乾燥


作りたてのプーアル生茶の散茶(毛茶と呼ばれる)

 

プーアル生茶はどう楽しむお茶か?

プーアル生茶は製茶プロセスが非常にシンプルゆえに、紅茶や烏龍茶のように華やかな香りのお茶ではありません。
では、プーアル生茶は何を楽しむお茶なのでしょうか?

プーアル生茶の場合、なんと言っても、優れた茶葉の質を楽しむお茶だと思います。
プーアル生茶は、良い物になると、原料茶葉の質が他のカテゴリーのお茶では比にならないレベルで優れております。

(勿論、プーアル生茶でも質の良くないお茶も沢山有ります。全てのプーアル生茶の原料が良いと言う意味ではありません。)

標高2000mレベルの高地に位置している茶園、樹齢数百歳の茶樹、農薬は勿論、肥料を全く与えない栽培方法の場合、お茶が極めてゆっくりと成長し、それに伴い、細胞密度が高く、有機成分もミネラルも濃厚になるため、他産地のお茶では考えられないレベルの、長い余韻、深く、濃い後味が楽しめます。

プーアル茶に水を通すと、水が驚くほどやわらかく濃密になり、まるで雲南省の山奥の雫を舐めているような甘味を感じます。

香りこそ穏やかなお茶ですが、プーアル生茶の愛好家からすると、むしろ、自然で穏やかな香りだからこそ、飽きが来ず、継続して飲み続けられ、全くマイナスに感じられません。

保存による香りの更なる熟成

香りが元々穏やかなプーアル生茶ですが、長期保存することで、香りが熟成され、華やかな香気を形成します。
生茶は製茶の段階で、低めの温度で殺青した作られたお茶の方が、熟成の伸びしろが大きく、逆に、高温で殺青されたお茶は熟成による変化は穏やかです。
一概に長く熟成すればするほど良いという事では無く、熟成期間に応じて、香りの個性が変化するため、好みに応じて熟成期間を管理するのがお勧めです。
熟成期間に相関して、香りは、花や蜜→ フルーツ → 乾燥フルーツと変化します。

熟成方法はいろいろありますが、HOJOでは過去における種々の実験結果から、無酸素での熟成を好んで行っております。

一方、熟茶の熟成の場合、生茶のように「香りの種類の変化」というより、香りがより甘く、強くなる印象です。
私の感覚では、熟茶の熟成に関しては、長ければ長いほど良いように思います。

生茶・熟茶共に、10年以上熟成すると、水質がビンテージのウイスキーやワインのように滑らかになり、液体が舌に染み入るような感覚が体感できます。

お勧めの熟茶と生茶

HOJOのラインアップには多種類の熟茶と生茶があります。
基本熟茶はどれを選んで頂いても失敗は無いと思いますが、生茶に関しては、最初はある程度香りの個性がしっかりしているお茶を飲まれた方が良いと思います。
私としては最初に飲まれるなら、以下のプーアル生茶と熟茶がおすすめです。

烏木龍古樹生茶 2019
https://hojotea.com/item/d78.htm

无量山古樹生茶 2015
https://hojotea.com/item/d67.htm

无量山古樹熟茶 2019 ミニトウチャ
https://hojotea.com/item/d14.htm

雲県古樹熟茶 2019
https://hojotea.com/item/d24.htm

尚、マニアも唸るような、極上の原料から作られたプーアル生茶としては、以下の2種がお勧めです。

大茶林古樹生茶 2020と2021
https://hojotea.com/item/d103.htm

単株生茶 2019
https://hojotea.com/item/d105.htm

日本茶(緑茶)、中国紅茶、白茶、プーアル熟茶、プーアル生茶、ジャスミン茶、烏龍茶という厳選された茶葉7種のお試しセット

この記事に関連するHOJO Teaの商品


関連記事 RELATED ARTICLES

お茶に関する最新情報を確実にキャッチするには? SOCIAL NETWORK

1,Twitterをフォローする。2,FaceBookで「いいね!」を押す。3,メールマガジンに登録する。という3つの方法で、お茶に関する最新情報をキャッチすることができます。今すぐ下のツイッターフォローボタンや「いいね!」をクリック!

メールマガジン登録で無料サンプルをもらおう!
メールマガジンにご登録いただくと無料のサンプル茶葉のプレゼントや希少商品の先行購入など様々な特典がございます。ソーシャルメディアの購読だけでなく、メールマガジンへのご登録もお忘れなく!

HOJO TEAオンラインショップNEWS一覧を見る

永德県棠梨山産の木易古樹生茶2013を発売
木易古樹生茶2013年を発売いたしました。 雲南省臨滄市永德県にある棠梨山で収穫されたお茶から作られたプーアル生茶です。木易は、棠梨山の茶園が位置するエリアを指す通称として、生産者が用いている名称です。 仕入れ後、弊社倉 …
産地でも珍しい実生老木の鳳凰単叢老欉蜜蘭香2022
非常に特別な鳳凰単叢老欉蜜蘭香2022を発売いたしました。特別である理由は、この蜜蘭香が、通常ではあり得ない実生の老木から作られている点にあります。そのため、一般的には考えられないほどの余韻が感じられ、非常に感動的な味わ …

最新の記事 NEW ARTICLES

永德県棠梨山産の木易古樹生茶2013を発売
木易古樹生茶2013年を発売いたしました。 雲南省臨滄市永德県にある棠梨山で収穫されたお茶から作られたプーアル生茶です。木易は、棠梨山の茶園が位置するエリアを指す通称として、生産者が用いている名称です。 仕入れ後、弊社倉 …
産地でも珍しい実生老木の鳳凰単叢老欉蜜蘭香2022
非常に特別な鳳凰単叢老欉蜜蘭香2022を発売いたしました。特別である理由は、この蜜蘭香が、通常ではあり得ない実生の老木から作られている点にあります。そのため、一般的には考えられないほどの余韻が感じられ、非常に感動的な味わ …
雲南茶に使われる古樹・老樹・喬木の意味と実際
雲南省では、樹齢が高い茶樹ほど品質が高くなると理解されており、そのため樹齢を示す言葉が、お茶の名称やグレードに頻繁に用いられます。なかでも、古樹、老樹、喬木といった呼称は広く使われていますが、それぞれの意味や実際の使われ …
劉家古樹生茶2025を6年ぶりに発売
2019年以来、仕入を休止していた劉家古樹生茶2025を、6年ぶりに発売いたしました。 https://hojotea.com/item/d56.htm 劉家古樹生茶は、私たちが2014年からお付き合いのある劉氏が、自身 …
磁器茶器の選定について:三希牙白と徳化磁器
これまで当社では、磁器の茶器として台湾三希の製品を取り扱ってきました。三希の牙白シリーズは、お茶や水に対して優れた特性を備えており、実際にお茶の味や香りが明確に引き出されることから、当社としても高く評価し、約10年にわた …
手作り茶器各種入荷
渡辺陶三氏、前川淳蔵氏の茶器が複数入荷しました。 無名異 上赤 上赤は、佐渡島相川金山の坑道内から採取された、極めて稀少な天然土です。 金山に含まれる鉄分豊富な赤土 無名異 が、岩盤中で長い年月をかけて濾過されることで形 …
酸化酵素だけでは語れない発酵茶の香り-鍵を握る萎凋の科学
烏龍茶、紅茶、白茶などの発酵茶について、多くの書籍やネット情報では、お茶の発酵に関わる酵素としてポリフェノール酸化酵素(ポリフェノールオキシダーゼ:PPO)のみが取り上げられています。 しかし実際には、お茶の発酵には多数 …
低温殺青で作り上げたフルーティなプーアル茶:独木春古樹生茶2025 散茶
独木春古樹生茶が入荷しました。 https://hojotea.com/item/d31.htm このお茶は製造が非常に難しく、今回入荷できたのはごく少量のみです。 今年発売後、数日で完売した白岩山古樹生茶と同様に、在庫 …
安渓色種入荷:自社焙煎による香り高い烏龍茶
安渓色種が再入荷しました。 今回入荷した色種はとても品質が良く、また、値段をも据え置くことが出来ました。 https://hojotea.com/item/o74.htm 安渓色種とは 福建省の安渓で烏龍茶の製法が確立し …
お茶を科学と実験で理解する体験型ワークショップ
静岡県菊川市のサングラムさん(静岡県菊川駅から徒歩3分)主催のTEA EDENというイベントにて、11月8日(土)に私、北城 彰がお茶のセミナーを開催します。 セミナーの内容は以下のリンクのPDFの通りです。 お茶を科学 …

PAGETOP