私は毎年雲南省に一ヶ月滞在しては、原料の選定からプーアル茶の生産に携わっております。ただ、一ヶ月もいると、様々な魅力的なお茶との出会いがあります。結果、HOJOのプーアル茶のラインアップは非常に多種類になっております。沢山の商品があることは、選ぶ楽しみがある反面、慣れないお客さんにとっては選ぶのが難しい状況かと思います。そこで、この銘柄を選んでおけば間違いないというお茶を紹介したいと思います。

プーアル生茶とプーアル熟茶の違い

まず、プーアル茶には2つの種類、プーアル生茶とプーアル熟茶があることを知っていただく必要があります。
プーアル茶の産地である雲南省でプーアル茶と言ったら普通はプーアル生茶を指すのに対し、日本でプーアル茶と言ったら、茶色の色をしたプーアル熟茶が一般的かと思います。


どちらもプーアル茶という名称が付いておりますが、実際には全く異なるお茶です。紅茶と緑茶位の違いがあると言っても過言ではありません。たまたま、プーアル茶という名称を共有しているものの、製法も味も香りも色も全く異なります。


プーアル生茶の新茶は緑茶そのもの


緑茶に非常に近いプーアル生茶に対して、プーアル熟茶はプーアル生茶を原料に微生物発酵で作られた発酵茶です。生茶にすべきか熟茶にすべきか悩まれたら、まずは熟茶から初め、ある程度慣れたところで、生茶に移行されるのがお勧めです。尚、緑茶や白茶が好きな人は、最初から熟茶ではなく生茶の方があっているかもしれません。

プーアル茶は香りよりもむしろ味を楽しむお茶

プーアル茶は烏龍茶や紅茶の様に非常に強烈な個性を伴うお茶ではありません。プーアル茶の楽しみ方は、その味わいです。質の良いプーアル茶は、生茶熟茶に関係無く、非常に余韻が長く、濃い後味と、奥行きのある深い味わいがあります。更に、野生に近いお茶になると、味わいに透明感が増し、飲んだときに体に染み入るような感覚が楽しめます。

プーアル茶は保存することで甘い香りが形成される

但し、プーアル茶は経年保存によって熟成が進むと甘い香りがするようになります。熟成速度はお茶の水分、外気温、保存期間に比例します。プーアル茶の熟成はワインの熟成と比較されることが多いですが、ワインと同じく、酸素に長期間晒されれると、藁や枯れ草のようなひねた香りで上書きされるため、HOJOでは無酸素での熟成を推奨しております。

一番最初にお勧めするプーアル茶

まず、初めての人に一番最初に試していただきたいお茶としては、以下のお茶になります。値段と品質のバランスが良く、また、程良く熟成も進んでいるため飲みやすいお茶です。どちらも自然栽培の原料から作られており、余韻が程良く長く、とても飲みやすいお茶です。

 

熟茶は无量山古樹沱茶 2013
チョコレートとも相性が良いお茶です。ミルクティにして飲むと意外に美味しいお茶でもあります。

 

生茶は東山生茶 2014
東山生茶は様々な生産年のお茶がありますが、熟成が進んだ2014年産が飲みやすくてお薦めです。

野生のお茶から作られたプーアル茶

最初に試していただきたいプーアル茶として、もう一つ野生のお茶を紹介します。

HOJOで扱っている野生のお茶はカメリアタリエンシスという種類のお茶です。人里離れた山奥に自生する野生の木から摘まれたお茶です。野生というと、苦い、渋いというイメージがあるかもしれませんが、実はその逆です。野生茶は山菜と同じで、非常に味わい深く、甘味があり、また、フルーツやハーブのようなとても爽やかな香りのするお茶です。本来、野生茶は非常に稀少なお茶であり、値段もそれなりにするお茶ゆえに、初心者と言うよりはハイアマチュア向けのお茶とも言えます。ただ、野生茶は香りに個性があるお茶ゆえに、初心者にも分かりやすく、プーアル茶を好きになるきっかけになりやすいお茶でもあります。まず試していただきたい野生のお茶は以下のお茶になります。

大雪山野生茶 2017

余韻の変化を比較理解するのにお勧めのプーアル生茶

樹齢が高くなり、余韻の長さを体感できるお茶の組み合わせを紹介します。後味の濃さ、余韻の長さは原料の質を表す重要な品質要素です。3種類紹介しますが、どれも同じような製法で作られたお茶で、どのお茶も非常に上手に作られておりお勧めのお茶です。何れも全く農薬も肥料も使わない自然栽培茶から作られております。東山→白鶯山→无量山(むりょうさん)の順番に余韻が長くなります。ただ、東山は値段と品質のバランスが良く、普段飲みをするのにとてもお勧めのお茶です。

1.東山生茶 2015

2. 白鶯山古樹生茶 2015

3. 无量山古樹生茶 2015

プーアル熟茶で余韻の違いを体験する

これら3つのお茶は1→3になるにしたがって余韻が強くなります。3つとも私が非常にお勧めするプーアル熟茶です。

1.高山古樹熟茶


2.薄刀山古樹熟茶


3.果敢古樹熟茶

果敢古樹熟茶は極めて余韻が長く、非常に濃厚です。お客さんによっては、濃厚すぎてお茶酔いしてしまう人もいます。

ボディという概念を体感する

ボディとは味の広がりを指す言葉です。世の中でよく使われる言葉の割にこの言葉の意味を正確に理解している人は非常に少ないのが実情です。中国や台湾ではボディのことを「口感」という言葉で表し、有名産地のお茶の多くは強いボディが感じられます。ボディの強いお茶は一般受けし易い傾向があるためです。以下の2つの組み合わせのお茶を飲み比べると、ボディとは何か実体験して戴く事が出来ます。ボディを比較しやすくするために、コクの強さが同じくらいの、同じ生産年お茶をご紹介します。1番はボディが軽く、2番はフルボディです。コクと異なり、ボディは強ければよいと言うわけではありませんが、ボディの強いお茶は有名になり、高値で売られる傾向があります。但し、お茶を沢山飲む人は徐々にボディが軽めのお茶へと好みがシフトする傾向があります。

1.岩鳴山古樹生茶 2014


2.高山紫茶 2014

以下は、より、高いレベルの品質にてボディの違いを比較をするのにお勧めの組み合わせです。老黒塞古樹生茶はライトボディのお茶ですが、余韻が非常に長く、お茶を頻繁に飲む人に愛されるお茶です。逆に、馬鞍山古樹生茶は超有名産地である老班章のような強烈なボディと濃い後味のお茶です。馬鞍山は中国における超高級プーアル茶の特徴的な味がするお茶です。

1. 老黒塞古樹生茶 2016


2. 馬鞍山古樹生茶 2016

熟成による香りの変化を体験する

日本の気候はやや涼しいため熟成の進んだお茶がやや少なめですが、以下のお茶がお勧めです。

東山生茶 2017
新茶の味香りを体験していただくのにお勧め。2017年は一番茶の時期に雨が少なかったこともあり2017年産の東山は素晴らしい品質です。

東山生茶 2014
仄かに熟成が進み、甘い香りがします。

独木春古樹生茶 2012
熟成が大分進み仄かなフルーツ香がします。長期間保存したお茶ですので、開封後は1週間ほど外気に触れさせ、水分をすわせた方が、より香りが強くなり、味も軟らかくなります。

プーアル茶好きの到達点の1つ「野放茶」

近年HOJOで力をいれているのは、自然栽培茶のなかでも「野放茶」と呼ばれるカテゴリーです。もともと人によって植えられたお茶ですが、その後全く手をかけられず、野生化した茶園の事を指します。ゴリラに相当するのが野生のお茶だとすると、野放茶はターザンに相当します。

野放茶は自然と同化した環境ゆえ成長が非常に遅く、それがはっきりと味に反映されてます。余韻が長く、後味が濃いのはもちろん、非常に透明感があり、透き通るような味わいと口に残る心地よい甘味が特徴です。

1. 劉家古樹生茶 2014-2017


2. 白鶯山古樹生茶 2017


3. 耿馬古樹生茶 2017 (未発売)

日本茶(緑茶)、中国紅茶、白茶、プーアル熟茶、プーアル生茶、ジャスミン茶、烏龍茶という厳選された茶葉7種のお試しセット

関連記事 RELATED ARTICLES

お茶に関する最新情報を確実にキャッチするには? SOCIAL NETWORK

1,Twitterをフォローする。2,FaceBookで「いいね!」を押す。3,メールマガジンに登録する。という3つの方法で、お茶に関する最新情報をキャッチすることができます。今すぐ下のツイッターフォローボタンや「いいね!」をクリック!

メールマガジン登録で無料サンプルをもらおう!
メールマガジンにご登録いただくと無料のサンプル茶葉のプレゼントや希少商品の先行購入など様々な特典がございます。ソーシャルメディアの購読だけでなく、メールマガジンへのご登録もお忘れなく!

HOJO TEAオンラインショップNEWS一覧を見る

東洞庭山産、無農薬無肥料の碧螺春を発売
碧螺春(Biluochun)は中国を代表する緑茶の一つで、その優れた品質と独特の風味で有名です。HOJOでは、無肥料無農薬栽培による、余韻の長い碧螺春をお届けします。 https://hojotea.com/item/g …
マレーシアで8年熟成の白鶯山古樹白茶2017を発売:トロピカルフルーツの香り
白鶯山古樹白茶2017を再度発売しました。同じ名称の商品をこれまでも販売しておりましたが、以前販売していたロットの商品は日本で熟成したお茶でした。今回発売する商品は8年間マレーシアで熟成をしたお茶になります。マレーシアの …

最新の記事 NEW ARTICLES

単株茶を含む2022年産の鳳凰単叢老欉を3種類発売
単株を含む、鳳凰単叢の老欉を3種発売しました。今回発売したお茶は以下の三種類です。何れも標高1200mの茶園産の茶葉原料から作られており、濃厚な香りと深い後味がする素晴らしいお茶です。 鳳凰単叢老欉夜来香 2022 鳳凰 …
東洞庭山産、無農薬無肥料の碧螺春を発売
碧螺春(Biluochun)は中国を代表する緑茶の一つで、その優れた品質と独特の風味で有名です。HOJOでは、無肥料無農薬栽培による、余韻の長い碧螺春をお届けします。 https://hojotea.com/item/g …
マレーシアで8年熟成の白鶯山古樹白茶2017を発売:トロピカルフルーツの香り
白鶯山古樹白茶2017を再度発売しました。同じ名称の商品をこれまでも販売しておりましたが、以前販売していたロットの商品は日本で熟成したお茶でした。今回発売する商品は8年間マレーシアで熟成をしたお茶になります。マレーシアの …
雲南省の稀少茶、大雪山野生白茶2024を発売
大雪山野生白茶2024の散茶を発売しました。 このお茶は、私達が実際に現地雲南省の産地に滞在し、現地で生産管理しながら作り上げたお茶です。 雲南省における野生茶の定義 これまで何度も説明しておりますが、雲南省 の人々は例 …
HOJO独自の新製法で実現した香り高い紅茶:雲南での挑戦
雲南省に1.5ヶ月滞在した期間中、良質な白茶やプーアル茶の生産はもちろん重要な課題でしたが、今回の大きな目標は、小ロット生産にも対応した新しい紅茶の生産方法を開発することでした。 一般的に雲南紅茶といえば、当店のラインア …
2024年の雲南省お茶シーズン:予想外の気温と収穫の混乱
長い雲南省の仕入れを終え、現在マレーシアのクアラルンプールに滞在しております。輸入したお茶の評価や海外用のお茶の発送など細かな手配が必要なため、クアラルンプールの会社に来月まで滞在予定です。 今年はシーズンの最初である3 …
2024年の白茶:理想的な天気と現地滞在で品質は上々
私たちが雲南省で力を入れているお茶の一つは白茶です。白茶は昔から、福建省と雲南省で作られてきました。 福建省の白茶は製茶はよく管理されている反面、慣行農園方式で肥料を用いた農業をしているため、原料の質に関して、私は満足で …
雲南のおもてなし文化:食事に込められた思い
中国では、挨拶代わりに「你吃饭了吗?」、つまり、「ご飯食べた?」と言うのが一般的ですが、雲南省にいると、色んな局面で、「吃饭」「吃饭」、ご飯食べていきなさいと言われます。ただ、長く雲南省に携わると、これらのご飯への誘いは …
野生茶を求め雲南省臨滄市南西部の山村へ
現在、雲南省臨滄市の南西部にてお茶の仕入を行っております。 当店にとって重要な商品の1つに野生茶があります。野生茶は製茶はもちろんですが、原料確保が一番大きな課題です。 今回、新たに野生茶が有る場所があるらしいと言う情報 …
雲南省のお茶産地にてプーアル茶、白茶、紅茶の生産
3月24日から中国の雲南省臨滄市の南西部、永德、鎮康県にてお茶の仕入れ、生産を行っております。 雲南省は世界一と言っても過言で無い極上の原料がある反面、生産に対する管理が甘いため、出来合のお茶を仕入れたのでは、理想とする …

PAGETOP