烏龍茶ってどんなお茶?

烏龍茶というのは香りを楽しむお茶であり、初めて質の高い烏龍茶を飲むと、その香りの素晴らしさに感動されると思います。
但し、日本では昔からペットボトル入りの烏龍茶が販売されており、その為に、烏龍茶というと茶色くて、少し渋いお茶と言う先入観が強いかと思います。これらペットボトル飲料に用いられるお茶の多くは、大きく成長した茶葉で、渋味をとるために強く焙煎することで加工しており、いわゆる烏龍茶の番茶版のようなお茶です。したがって、烏龍茶とボトル飲料の烏龍茶は別のお茶と考えた方が妥当です。

烏龍茶はお茶の品種名ではなく、半発酵という作り方で作られたお茶の種類の1つです。
お茶にはポリフェノールオキシダーゼという酵素が含まれており、この酵素とポリフェノールが反応すると、酸化が開始されます。この現象をお茶用語では「発酵」と呼びます。
烏龍茶はポリフェノールを微〜中程度に発酵することで、花やフルーツの香りを最大限に高めたお茶です。

烏龍茶の楽しみ方

烏龍茶は大別すると中国と台湾の烏龍茶に分けられます。中国の烏龍茶はより成熟した茶葉を原料に用い、しっかりと発酵を行うのに対し、台湾の烏龍茶は茶葉がやや若いタイミングで収穫し、微発酵に仕上げます。

したがって、中国の烏龍茶は概してフルーツのような香りが強く感じられるのに対し、台湾の烏龍茶は花のような香りが感じられます。発酵度が低めの台湾烏龍茶は緑茶のような感覚でたくさん飲めるお茶で、緑茶の代わりに1日を通して飲んでも問題ありません。それに対し、中国の烏龍茶はしっかりと発酵が行われているため、比較的濃いめにいれ、少量づつ楽しむことが多いお茶です。但し、台湾の東方美人は例外的に発酵をしっかり行って作られるお茶です。

烏龍茶は作り方によって香りの種類が全く異なることから、その種類毎に料理やお菓子との相性が異なります。例えば、台湾の東方美人や鳳凰単叢烏龍茶、武夷烏龍茶などはしっかりと発酵が行われており紅茶に近い性質のお茶ゆえ、お菓子などと相性が良いお茶です。台湾の高山烏龍茶のように微発酵のお茶は、日本の煎茶の感覚で食事と合わせられると良いと思います。

烏龍茶の歴史

烏龍茶が発達したのは1600年代と言われております。1600以前に中国で作られていたお茶の多くは緑茶、黄茶、白茶、プーアル生茶などでした。1600年のはじめ頃から、広東省潮州の鳳凰鎮や武夷山では発酵茶が作られるようになりました。

最初は発酵方法が試行錯誤だったため、紅茶もこの過程で誕生したと推察されます。この後、武夷山の烏龍茶は安渓に伝播し、安渓の銘茶鉄観音などが誕生したと考えるのがお茶の歴史では一般的ですが、一部のお茶のプロの間では鳳凰山→安渓→武夷山という流れだったのではと考えられております。この根拠として、武夷山のお茶の生産者の何割かは未だにミンナン語を話します。ミンナン語は安渓と厦門(泉州と呼ばれる地方)の言葉です。また、一部の歴史書の中にも安渓の人々が烏龍茶の生産方法を武夷山に伝えたという記述もあることから、当時、ビジネスセンスに優れ、烏龍茶の製法を熟知した安渓の茶師がお茶の品質が優れている武夷山にて、烏龍茶生産を始めたと考えるのが妥当かもしれません。

尚、その後、烏龍茶を粒状に丸める、包揉という揉捻手法が安渓で開発されました。1800年代になると、安渓から台湾へと移民したお茶の生産者により、烏龍茶の生産方法は台湾にも普及しました。台湾へ伝わった烏龍茶の製法はその後台湾でも独自の発展を遂げ、微発酵による烏龍茶の製法が開発されました。

烏龍茶の加工

白茶、烏龍茶、紅茶のどれも発酵茶に属しますが、それぞれ、ポリフェノールの酸化度合いが異なります。烏龍茶の特徴は半発酵という製茶法です。酸化を中ぐらいで止めることで、花やフルーツの香りを引き出す点が烏龍茶の特徴です。尚、ポリフェノールの酸化レベルにより、花→新鮮なフルーツ→完熟フルーツ→乾燥フルーツへと香りが変化します。

烏龍茶の加工法は以下の順番で行われます。

萎凋・揺青(浪青) → 殺青 → 揉捻 → 乾燥

萎凋・揺青(浪青)ですが、これは烏龍茶を半発酵に加工する上で欠くことのできない重要な工程です。
お茶の葉の水分を徐々に落とすことを萎凋と呼びます。茶葉の水分がゆっくりと失われると、酵素発酵が開始されます。これはちょうど、刈り取った草が萎びる過程で甘い香りを放つのと同じ現象です。このまま萎凋を継続し、乾燥したお茶が白茶、また、萎凋したお茶を揉んでから発酵したお茶が紅茶になります。

烏龍茶の場合、萎凋に加え、お茶をバラバラと攪拌(軽く投げ上げ)お茶の縁部分を中心に軽い摩擦傷を負わせます。傷口が出来ることで茶葉内の細胞に含まれている酸化酵素とポリフェノールが混ざりやすくなり、じわじわと発酵が進みます。台湾の烏龍茶は、比較的に軽めに茶葉を手でバラバラと持ち上げては軽く投げ落とす揺青と呼ばれる工程を中心に作られます。

それに対して、中国の烏龍茶は揺青に続き、浪青と言って、竹で出来たドラムを使い後半より激しく攪拌することで、発酵をよりしっかりと行います。この為、台湾の烏龍茶は全体に深い緑色をしているのに対し、中国の烏龍茶は深い緑色に加え茶葉の縁部分が黄色〜オレンジ色をしております。

程良いレベルまで発酵した茶葉は、200℃前後に熱しられたドラムやフライパンで加熱殺青することで、酵素を失活させ、それ以上発酵が進まないようにします。殺青後、お茶は揉まれ、それぞれの形状へと加工されます。

鳳凰単叢烏龍茶の茶殻:黄色やオレンジ色など非常にカラフル

産地毎の種類と特徴

烏龍茶の産地は1. 広東省の潮州、2. 福建省の武夷山、3. 福建省の安渓と4. 台湾の4箇所に限定されます。もちろん、他地域でも一部作られておりますが極めて少数です。台湾方式の烏龍茶は近年では一部タイのチェンライなどでも作られておりますが、量販店向けを中心とした安価なお茶に限定されます。

烏龍茶の面白さは、産地毎に特色が全く異なる点です。但し、鳳凰単叢烏龍茶と武夷山の烏龍茶は製法、品種共に非常に類似しており、共通の生産装置が使われていたりもします。
一般的な傾向として中国の烏龍茶はお茶の葉がかなり成長成熟した時点で収穫し、しっかりと発酵を行うのに対し、台湾のお茶は比較的若い茶葉を摘み、軽めに発酵を行います。この為、台湾の烏龍茶の方が緑茶に近く、量を飲めます。それに対し、中国の烏龍茶は香りと味がしっかりしており、少量をじっくり味わって飲むスタイルが一般的です。

台湾の烏龍茶

台湾の烏龍茶は微発酵で作られることから、水溶性成分が比較的豊富で緑茶のような感覚で楽しむことが出来ます。また、微発酵烏龍茶の特徴として花や蜜のような香りがするため、普段緑茶を飲む日本人にとっては非常に親しみやすい烏龍茶です。私の店に来店されたお客さんに黙って台湾の烏龍茶をいれると、その飲みやすさと色合いから多くの人は緑茶だと思われます。


台湾の烏龍茶は高山茶とも呼ばれます。中国語ではGao Shan Chaと読みます。日本語の場合、読み方は、「コウザンチャ」が最も適切です。高山茶とは一般に600-800m以上の山で収穫された烏龍茶をさします。同じ栽培条件でお茶を作った場合、標高が高くなるほど、お茶の香りや味の密度が増し、後味が濃く、余韻の長いお茶になります。この為、台湾では標高の高い茶園産のお茶は非常に高い値段で取引されます。但し、実際には標高以外にも、肥料の有無を初め、様々な栽培条件が関係してくるため、一概に標高だけでお茶の品質を評価するのは適切ではやありません。

尚、台湾では有名な産地のお茶は、高山茶という名称では販売されることはありません。例えば、凍頂山、阿里山、翠峰、梨山などの有名な山の場合、凍頂烏龍茶、阿里山茶、梨山茶のように、それぞれの山の名前を冠する場合が一般的です。台湾で「高山茶」の名称で販売されているお茶は、実際には標高数百メートルレベルの茶園産のお茶が一般的です。

台湾茶で忘れてはならないお茶に、東方美人があります。東方美人の特徴は、マスカットワインのような甘い香りがする点です。この香りを英語ではマスカテルフレーバー、中国語では蜜香と呼びます。東方美人は台湾茶の中でも非常に特殊なお茶です。このお茶は台湾茶にも関わらず、発酵をしっかりと行って作られます。東方美人は緑色の小さな虫(ウンカ)に汁を吸われた茶葉のみから作られます。虫に攻撃を受けた茶葉は、黄色く変色し、また、防御のため、人で言う抗体のような物質(テルペン)を作り出します。虫が嫌いな香りを形成することで、それ以上虫に攻撃されないよう防御しております。面白いことに、お茶の葉が作り出すテルペンは、フルーツの香り成分にも含まれる物質です。蚊がレモンの香りが大嫌いなことはよく知られておりますが、一部の虫は、フルーツの香りを苦手としております。この物質は烏龍茶の製茶工程を経ることで、より甘い香りへと変化します。

東方美人と同じような原料から一般の微発酵烏龍茶も作られており、HOJOの商品の中では蜜香高山茶、近年では貴妃茶の名称で売られていることもあります。貴妃とは側室のことで、お茶の香りがうっとりする程良いことからこのような名前が付いたようです。

HOJOの台湾烏龍茶一覧
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中国潮州の鳳凰単叢烏龍茶

鳳凰単叢烏龍茶は、まるでフルーツか花を飲んでいるかと思うほど香りが鮮烈で、初めてこのお茶を飲んで驚かない人を私は見た事がありません。

鳳凰単叢の花やフルーツのような独特の香りは「お茶の品種」、「浪青と呼ばれる重発酵」、「焙煎」の3つの要素により形成されます。

特に鳳凰単叢烏龍を特徴付けているのは、低温での長時間に及ぶ焙煎による熟成です。発酵直後のお茶は、やや緑茶っぽく、香りもあまり強くありません。ところが、炭火を用い、100℃以下で6-24時間かけてじっくりと焙ると、まるでプリンやホットケーキを焼き上げるかの如く、甘いフルーツの香りが形成されます。近年では、大多数の生産者がヒーターによる焙煎を採用しておりますが、炭火とヒーターではお茶の香りは雲泥の差です。炭火といっても、炭火を灰で覆うことで煙が出ない状態にするため、上手に焙煎された鳳凰単叢烏龍茶は煙臭さは全くありません。好みにより、短めの焙煎時間により花や新鮮なフルーツの香りに仕上げた清香タイプ、長時間焙煎することで、完熟フルーツのように仕上げた濃香タイプに大別されます。

鳳凰単叢はどれも水仙種という品種が元になっており、種から撒かれた木と、特定の品種を挿し木や接ぎ木で増やした木の2グループに大別されます。特徴的な香りの単叢毎に、鳳凰蜜蘭香単叢、鳳凰宋種単叢のように名称がつけられております。但し、同じ名称でも、単叢毎にお茶の香りの質や品質は同じではありません。例えば、「蜜蘭香」を例にとると、当然木の樹齢によって、或いは、茶園の場所、標高、茶園の向き、その他様々な要素により、同じ蜜蘭香でも香りの質、香りの強さ、味の厚みなどに違いが出ます。全てを混ぜ、数百キロの蜜蘭香を作っても良いのですが、それでは全ての品質や香りが平均化されてしまいます。このような理由から、品質や香りの特徴毎に数本の木をグルーピングし小ロット単位(一ロット数キロ程度)で販売するのが鳳凰鎮における独特の文化となっております。

鳳凰単叢烏龍茶の単叢とは、「同じ種類の香りや品質特徴を持つお茶の木のグループ」をさします。単叢は「一本の木のみから作られたお茶」と解釈されることが多いですが、現在では一本の木のみから作られたお茶は「単株茶」と呼ばれます。

鳳凰単叢烏龍茶のお茶の木は岩だらけの山に生えており、また、お茶の木は、日本や台湾のような茶園方式ではなく、下の写真の様な一本一本の木から収穫されます。


高級なお茶になると、樹齢500年位のお茶の木から収穫される物もあります。

HOJOの鳳凰単叢烏龍茶一覧

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中国武夷山の烏龍茶

武夷烏龍茶は福建省の武夷山で作られる烏龍茶です。但し、武夷烏龍茶の人気の高さから、多くの武夷烏龍茶は武夷山外の茶園産で、武夷山産のお茶は非常に稀少です。
武夷烏龍茶は鳳凰単叢烏龍と同じく水仙種系の品種、桐木に昔からある古い木系の品種、選抜種などを原料として用います。
鳳凰単叢と武夷烏龍茶はほぼ同時期に発展しており、基本的にお茶摘み規準、製茶法もほぼ同じです。但し、実際は、多くの人が、武夷烏龍茶は香ばしい独特の香りがする特別なお茶と勘違いしております。この独特の香りを、「岩韻」等の言葉で表現している人も多く見られます。

しかしながら、高級な武夷烏龍茶の多くは鳳凰単叢烏龍と同じく、120℃以下の低温で焙煎が行われ、過度の香ばしい香りはしません。一方、若い木や、樹齢の低い木など、原料となるお茶の品質が低いお茶に関しては、140℃以上で焙煎することでお茶を焦がし、炭焙香を高める事で、個性付けしている傾向があります。元々、限られた生産量しかない武夷烏龍茶ゆえ、圧倒多数のお茶は、この高温焙煎方式で作られるため、今では「武夷烏龍茶=香ばしい香り」というのがデファクトスタンダードになりつつあります。

武夷山は景勝地としても有名であることから、武夷烏龍茶は様々なTV番組に特集されるなど非常に脚光を浴びやすく、その結果、現在では世界規模で名が知られるようになりました。この為、同じ品質レベルの武夷烏龍茶と鳳凰単叢烏龍を比較すると、鳳凰単叢烏龍茶のほうが遙かに安価に入手出来ます。ある意味、有名ゆえに高価なお茶と言えます。

中国安渓の烏龍茶

福建省泉州の安渓は大都市厦門から車で1時間足らずの位置にある町です。この町からは多くの海外移民を輩出しており、台湾人、シンガポール人、マレーシア人の多くが安渓周辺の出身です。この為、海外の華人達を通じて、安渓のお茶は世界的に有名です。

安渓のお茶と言えば他でもない鉄観音が最も有名です。鉄観音以外にも、黄金桂、肉桂、本山、毛蟹など様々な品種のお茶が作られておりますが、鉄観音の人気は突出しております。
鉄観音は鉄観音種という品種から作られるお茶を指します。作り方の名称ではありません。ただ実際には、より安価な品種を鉄観音風に加工しているお茶が多く市場に流通しております。鉄観音種はゆっくり成長するため、味に厚みがあり、また、蘭の花のような清々しい香りがし、安渓のお茶の中で最も高価な品種になります。尚、鉄観音でも値段はピンキリですが、概して茶園の標高が高いほど、品質が高く、値段も高くなる傾向があります。

安渓のお茶の多くは、台湾の烏龍茶と同じく、粒粒の形状をしております。烏龍茶を粒状に加工する手法はもともと安渓で開発されました。お茶を揉む際に、袋に入れ、絞り上げた後、袋に強い圧力をかけながら揉むことで、中に入っているお茶が粒状に成形されます。

鉄観音を初めとする、安渓の烏龍茶は殆ど焙煎をしないで仕上げることで、花の香りを高めた清香タイプ、軽焙、中焙、重焙など、焙煎の仕方により様々な香りへと仕上げられます。但し、安渓における焙煎は、鳳凰単叢烏龍や武夷烏龍のような低温焙煎ではなく、100℃以上の温度で焙煎をすることで、香ばしさを高めております。

安渓の烏龍茶は、高いお茶は非常に高いですが、他の2産地のお茶と比べると安価に入手することが出来、また、日本料理とも非常に合うため、食事中、食後のお茶としてもお勧めします。

HOJOの安渓烏龍茶一覧
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烏龍茶の善し悪しはどのように選んだらよいのか?

烏龍茶の品質はピンキリで、HOJOのラインアップでも100g千円代のお茶から、100g数万円するお茶まであります。値段が高くなると、香りが強くなるのでしょうか?或いは、ただ単に稀少ゆえに高いのでしょうか?
烏龍茶の品質が何によって決まるのか簡単に解説したいと思います。

烏龍茶の等級

基本的に烏龍茶に公式な等級は存在しません。烏龍茶は小規模な生産者がそれぞれに生産をしており、茶園、木、標高など様々な規準により品質が分類されておりますが、等級化されることは決してありません。どのお茶を選ぶかは、買い手の能力次第です。中には「特級」などのような名称が付いている場合がありますが、これは売り手がつけた商品名であり、市場にその様なグレードがあるわけではありません。

安い烏龍茶と高級烏龍茶の違い

お茶の品質は「原料茶葉の質」と「加工の質」によって変わります。例えば、質の良い原料でも、加工に失敗したお茶は高く評価されないし、逆に、幾ら加工が上手でも、低品質の原料から作られたお茶は高く評価されることはありません。
これは料理に例えれば分かりやすいと思います。どんなに料理の腕がよくても、使用する食材の質が低かったら、或いは、その逆の場合、美味しい料理は出来ません。

原料茶葉の質ですが、果物に例えると分かりやすいと思います。果物の場合、甘味が重要視されがちですが、甘いだけでコクのない果物は美味しくありません。美味しい果物は、甘味に加え、「味の濃さ」「コク」などがあります。お茶も同じで、最も大事なのは後味の強さ、味に厚みがあり、余韻が何時までも続き、味に立体感がある事が重要です。飲んだときに味があっさりしており、香りが鼻から抜けるだけのお茶は、品質的に低く、仕入れ値も安いお茶になります。

農業の観点から見た質の良いお茶とは、無肥料、高い標高の茶園、樹齢の高い木、日当たりなどの条件をより多く満たすお茶です。日当たりの良い茶園で作られたお茶は香りが強く出ます。逆に日陰のお茶は、香りは弱まる物の、味がより円やかになる傾向があります。烏龍茶の場合、香りが重要ゆえ、日当たりは重要です。また、無肥料、標高、樹齢の条件を満たすお茶は、ゆっくりと時間をかけて成長するため、細胞がより密で、成分が濃厚で、飲み応えのあるお茶になります。

また、お茶摘みのタイミングも非常に重要な要素です。烏龍茶の場合、春茶が良い、冬茶が良いだのと言った議論がありますが、比較すれば一目瞭然で、圧倒的に春茶が優れており、正直議論の余地がありません。冬茶が良いというのは、生産者による販売のための方便です。事実、武夷烏龍茶や鳳凰単叢烏龍茶は、春に一度摘まれるだけで、秋や冬には一切お茶摘みをしません。但し、安価な烏龍茶は、春の1番茶だけではなく2番茶や3番茶からも作られます。2番茶以降のお茶から作られたお茶は、渋味を呈し、また、味に豊かさが感じられません。

品種による違い

ブドウに、巨峰、デラウェア、ナイヤガラなどの品種があるのと同じく、お茶にも様々な品種があります。例えば、日本茶で有名な品種はヤブキタ、台湾の烏龍茶は青心烏龍、安渓の場合、鉄観音などの品種がよく知られております。

異なる品種のお茶は、同じ作り方をしても、異なる香りや味を形成します。烏龍茶の場合、人気のある品種は概して成長が遅く、安価な品種と比べると厚みのある味を生み出します。但し、品種特有の香りがあるため、美味しいと思ったお茶の品種を確認すると良いかと思います。

但し、超高級な鳳凰単叢烏龍茶の単株茶(一本の木のみから作られたお茶)等になると、中には実生(種から撒かれた)のお茶の木があります。種から撒かれたお茶は、それぞれ特有の形質を示すため、香りも味も独特です。また、種から撒かれたお茶の特徴として、直根と言って、根がゴボウのように真っ直ぐに地中に伸びるため、ミネラルをより吸いやすく、味がより濃厚で立体的になります。

発酵度による違い

烏龍茶は半発酵と呼ばれますが、発酵が半分なわけではなく、発酵のレベルは微発酵だったり、中発酵だったり、重発酵だったりと、お茶によって様々です。例えば、同じ凍頂烏龍という台湾の烏龍茶でも、微発酵で仕上げたお茶もあれば、中発酵や、重発酵のお茶もあり、どれを選ぶかは各人の好み次第です。一般に、発酵度が低い方から、花の香り→フルーツの香り→完熟フルーツの香り→乾燥フルーツの香りと変化します。

発酵度の低い高いは、化学的な見地からすると、発酵度が低いほど水溶性成分が多く、発酵度が上がるにつれて、非水溶性成分が増します。この為、発酵度が低いほど、飲みやすく、発酵度が増すにつれて飲み応えのあるお茶になります。お茶の初心者にとっては発酵度が低めの烏龍茶が美味しく感じられる傾向がありますが、飲み続けると、だんだんと発酵度の高いお茶が美味しく感じられるようになります。したがって、最初は発酵度が低めの台湾茶から飲み始め、中発酵→重発酵の台湾茶、その後、安渓の烏龍茶、最後に鳳凰単叢烏龍茶や武夷烏龍茶へとシフトしてゆくのが自然な流れです。

焙煎による違い

烏龍茶は発酵したままの状態で商品化されることはごく希で、何らかの方法で焙煎が行われます。と言うのも、発酵直後の烏龍茶は、やや雑味があり、また、香りが少しこもった感じがするため、熱を加えることで、成分を安定化し、また、香りを引き出す目的があります。
私の経験上、烏龍茶の焙煎には大きく分けると3種類あります。尚、2と3は組み合わせてより複雑な香りを作り上げる生産者もおります。

1.清香タイプの烏龍茶の仕上げ焙煎
2.低温長時間焙煎による熟成
3.100℃以上の温度での焙煎により香ばしさを付与

台湾の烏龍茶など、清香タイプの烏龍茶は花のような香りがし、焙煎をしてないように思われますが、多くは低い温度で数時間熱を加えることで、香りを引き締め、透明感を高めております。鳳凰単叢烏龍茶でも、清香タイプ(濃香でないタイプ)のお茶の場合、製茶直後のお茶を販売しているかと思うほど、鮮度が高く、新鮮な花のような香りがします。しかし、実際には、60-70℃くらいで6時間くらい熱を加えることで、香りの洗練度を高め、味をよりクリーンに、そして、雑味を取り除いております。

鳳凰単叢烏龍茶や武夷烏龍茶の場合、100℃以下の温度で長時間焙煎をすることで、お茶の成分の化学変化を促進し、よりフルーティな香りを生み出します。鳳凰単叢烏龍茶のトロピカルフルーツやラズベリーのような甘い香りは長時間の焙煎技術が深く関係しております。尚、高品質のお茶の場合、炭火で焙煎が行われます。但し、炭火は温度管理が非常に難しい事から、多くの生産者は、お茶を焦がしてしまいがちで、武夷烏龍などはそれがむしろ特徴かのごとく世間に誤認されております。しかし、本当に高級な武夷烏龍茶は鳳凰単叢烏龍茶と見分けが付かないほどに花やフルーツの香りがします。

面白い事に、焙煎してないお茶や軽く焙煎したお茶を数年以上無酸素保存すると、長時間焙煎をした濃香タイプのお茶と同じ香りを形成します。例えば、鳳凰蜜蘭香単叢の清香タイプのお茶を、無酸素状態で3-4年保存すると、濃香タイプのお茶と同じ香りへと変化します。つまり、低温での長時間焙煎は、お茶の熟成(エイジング)を短時間で行う手法と定義することが出来ます。

台湾や安渓、また、武夷山の安価なレンジのお茶は、100℃以上の温度で焙煎することで香ばしい香りを引き出す手法が用いられます。基本的には日本の焙じ茶と同じ考え方ですが、違いは、烏龍茶の焙煎は、非常に長時間かけて行う事、また、生産者はそれぞれに焙煎のノウハウを有しており、単一温度帯だけでなく、複数の温度帯で焙煎することで、非常に複雑な香りを引き出しております。

焙煎度が弱い烏龍茶の方が、緑茶に近いことから、たくさん飲めます。逆に、非常に強く焙煎されているお茶の場合、成分が非水溶性中心であることから、緑茶のように沢山飲むのではなく、少なめに飲むのが適しております。焙煎をしっかりとしたお茶は、食事との相性が良く、和洋中問わず、料理に良くあいます。

烏龍茶の効果効能

緑茶や紅茶のお茶摘みと比較すると、烏龍茶の場合、茶葉がより大きく成長してから収穫を行います、この為、烏龍茶にはお茶の機能性成分であるポリフェノールがより多く含まれてます。
また、烏龍茶の品種にはメチル化カテキンを初めとする、日本茶には余り含まれない成分を含む特徴があり、これらの成分には花粉症などへの効果があることが知られております。

お茶は品質によって香りや味の濃さが変わりますが、品質は味香りだけでなく、効果効能にも大きく影響します。
烏龍茶における効果効能にはお茶に含まれるポリフェノールや鉄分が大きく関係していることから、より効果を享受するためには、より多くのポリフェノールを含むお茶が良いと仮定することが出来ます。
一般に、肥料が多量に用い、低い標高の茶園で栽培されたお茶は低い品質になります。高品質のお茶になると、茶園の標高が高く、肥料を一切使用しない無肥料栽培で作られます。無肥料で作られたお茶は、細胞密度が高く、通常のお茶と比べ数倍以上のポリフェノールを含みます。つまり、より高い効果効能を期待した場合、ただ闇雲に烏龍茶を飲めばよいと言うことではなく、「質」を意識することが重要です。

烏龍茶のポリフェノール

ポリフェノールとは、カテキンなどのお茶に含まれるフラボノイド骨格を有する成分の総称です。一説によると、ポリフェノールはお茶にとっても機能性物質であり、自らを病気や、酸化から守るための物質と考えられております。お茶の木の生体防御のための機能性物質を人が飲む事は、お茶の機能性を享受することが出来ると考えることが出来ます。

また、烏龍茶に含まれるポリフェノールは半発酵により、酸化型ポリフェノールの形で多くが存在します。酸化型のポリフェノールは水溶性度が低く(より疎水性)、緑茶のポリフェノールよりも体内への吸収が高い点が特徴です。近年、烏龍茶に含まれる特有のポリフェノールには様々な機能性があることが研究により分かっております。

例えば、ポリフェノール摂取をすることで、代謝が活性化する、抗癌作用、抗アレルギー作用、血圧を下げる、中性脂肪の燃焼、脂肪吸収抑制、コレステロールの減少などの効果が知られております。

ダイエットや脂肪が落ちなくて困っている人にお勧めの烏龍茶

烏龍茶に含まれる酸化型のポリフェノールは膵リパーゼを阻害することから、腸からの脂肪の吸収を顕著に低下させることが各種研究により分かっております。油っぽい料理を食べても、吸収量が少ないのは嬉しいニュースです。

花粉症で困っている人にお勧めする烏龍茶

近年の研究で、お茶に含まれるメチル化カテキンと呼ばれるポリフェノールがアレルギーを緩和する作用があることが分かっております。このメチル化カテキンは、日本の緑茶品種には殆ど含まれていないのに対して、烏龍茶や紅茶品種には多く含まれています。ラットを用いた実験では鼻炎に対して、メチル化カテキンが有効であることが分かっております。

また、自然栽培の烏龍茶はミネラルを豊富に含んでおり、飲むと、血行を促進するため、体が非常に熱くなり、手足が温まり、顔が赤くなります。アレルギーには血行促進も非常に良いとされているため、良質の烏龍茶を飲むことは、前述したメチル化カテキンと、血行促進の2つの面から花粉症に対して有効と考えられます。

便秘の改善

自然栽培で作られた質の高い烏龍茶はミネラルを豊富に含み、飲むと体が非常に温かくなり、顔が赤くなります。これは血行が改善するためです。便秘の原因は、腸の血行が低下することで蠕動運動に影響する為です。質が高い烏龍茶を飲み、血行を改善することは、腸の働きにもプラスに作用すると仮定することが出来ます。

コレステロールの低下

烏龍茶の美味しい飲み方

烏龍茶をいれる場合、最も大切なのが湯の温度管理です。
ただ熱いお湯を使えば良いと言うわけではありません。
例え熱い湯を使用しても、いれている過程で冷めてしまったのでは、ぬるま湯を使ってお茶をいれるのと大差がありません。
以下に、具体的ないれかたの例を紹介したいと思います。

美味しいいれかた

使用する水は必ず塩素を除去してください。塩素は、体に悪いばかりか、お茶の香り成分と反応する為、折角の烏龍茶の香りが半減します。

お湯を沸かす際は、1分以上沸騰させてから使用してください。生水には重炭酸カルシウムという成分が含まれておりますが、沸騰することで炭酸カルシウムへと変化し、水の味がより甘く感じられるようになります。

尚、お湯を沸かすヤカンは、土瓶、アルミ、銅、真鍮の材質を避け、必ず、ステンレスのヤカンを使用してください。これらの材料はお茶の後味を殺す性質があるため、お勧めしません。特に土瓶は見た目のオシャレさから台湾を中心に茶館などでも頻繁に使われますが、実際に湯の味を客観的に評価すると、お茶の後味、香りをカットし、渋味を呈する土瓶が極めて多く見られます。

烏龍茶をいれる際には、一般的に、急須(茶壺)、ピッチャー(茶海)、茶杯(湯のみ)を使用します。使用する茶器ですが、材料により良くも悪くもお茶の味に影響をすることを意識してください。これはガラスや磁器でも同じで、プラスに作用する材料もあれば、マイナスに作用する材料もあります。詳しくは下の項で説明します。

具体的ないれかたは以下の通りです。

茶葉:3-5g
お湯:100-500ml

基本的に、湯の量が少なければ、いれる時間は短めに、逆に、湯の量が多い場合長めに淹れるのが基本です。
まず、大きめの急須を使用した簡単ないれかたから紹介します。

1.茶器に沸騰水を注ぎ10秒間予熱する
2.茶葉を投入後、沸騰水を注ぎ10秒間茶葉を予熱し、湯は捨てる
3.1煎目は沸騰水を注ぎ入れ1分ほど蒸らします。急須のサイズが更に大きい場合、2分位を目安としてください。
4.2戦目以降は、茶葉が開いておりますので、沸騰水をいれてから10秒程度で十分です。

次に、工夫式と言われる、お茶が最も美味しくはいる方法を紹介します。我々プロはこの方法でお茶をいれることが多いです。
この方法の場合、茶器は比較的小型の物を使用します。私は100-200mlの茶器を使用することが多いです。

1.茶器に沸騰水を注ぎ10秒間予熱する
2.茶葉を投入後、沸騰水を注ぎ10秒間茶葉を予熱し、湯は捨てる
3.茶葉を投入後、再び沸騰水を注ぎ5秒間茶葉を予熱し、湯は捨てる
4.1煎目は沸騰水を注ぎ入れ、10秒間で出します。ここで大事なのは、茶葉の温度が下がる前に、2煎目以降を継続していれ続けることです。
5.2煎目以降は沸騰水をいれ数秒で出してください。1煎目〜3煎目くらいを茶海(ピッチャー)にまとめると丁度良い飲み具合になります。

水出し

水出しには微発酵の烏龍茶が向きます。例えば、台湾の烏龍茶の文山包種茶、凍頂烏龍、阿里山茶等で試してはいかがでしょう?
また、意外に、東方美人や黒鉄観音などの銘柄も水出しとの相性がよいです。詳しくは以下のページをご覧ください。
https://hojotea.com/jp/posts-1120/

水出し茶の重要なポイントは、使用する水は生水ではなく、一旦沸騰したお湯の湯冷ましをご使用ください。生水だと、香りが出にくい傾向があります。
茶葉と水の量の目安ですが、1リットルに対して5gの茶葉が適量です。
作り方は簡単で、茶葉を、直接、或いは、ティーバックなどにいれ、水の入ったボトルに投入し、冷蔵庫で4-5時間静置するだけです。
味を見て、濃すぎたら薄め、薄すぎたら、更に数時間放置してください。お茶が丁度良い濃さにはいったら、茶葉は除去してください。
冷蔵庫で保管すれば3-4日は鮮度を保つことが出来ます。

カフェインが気になる妊婦や授乳中の女性にお勧めの烏龍茶の飲み方

妊娠している女性や授乳中の女性は、体が血液を必要としており、より多くの鉄分摂取を必要とします。お茶は質が上がるほど、鉄分を豊富に含んでいるため、良いお茶は妊娠している女性や授乳中の女性にはとても美味しく感じられます。ただ、カフェインの摂取は赤ちゃんへの影響が気になるところです。そこで、カフェインを限りなく抑えたお茶のいれかたを紹介したいと思います。

カフェインは80℃以上で効率的に抽出される反面、低い温度だと余り抽出されにくい特徴があります。したがって、上記で紹介した水出しはカフェインを限りなく控えたいれかたの1つです。但し、多くの人は温かいお茶を飲みたいと思われると思います。そこで、水出しを応用することで低カフェインの温かいお茶をいれることが出来ます。

まず、お茶を極めて濃く水出しにします。但し、水出し茶のように5gを1リットルの水でいれるのではなく、3-5gの茶葉を100-200mlの水で数時間かけてしっかりと出します。数時間水出しにすることで、非常に濃いお茶が得られます。次に、このお茶をカルピスの要領で、お湯で割ります。湯のみにお茶を20-30%いれ、残りを沸騰水で割ると、いれたてのお茶のように温かく、それでいて低カフェインのお茶をいれることが出来ます。

烏龍茶をいれるのに適した茶器

陶器・磁器に関係無く、全ての材質の茶器はお茶味に対して影響します。陶器はお茶の味を美味しくすると誤解されている人が多いですが、良くする物もあれば、逆に悪くする物もあります。残念ながら、茶器の多くは、味をむしろ悪くする材質が多いのが実情です。朱泥が良い、紫泥がよいと言う議論もありますが、朱泥でも産地や土の層により、含まれる微量ミネラルの組成は千差万別で、良い物もあれば悪い物もあり、一概にどの材料が烏龍茶に適しているとは言い切れません。もし、複数の急須を所有されている人は、同じお茶を複数の急須でいれ比べてみてください。全てのお茶の味が異なるはずです。

茶器の場合、外観や土の種類では善し悪しが判断できないため、良い茶器を選ぶ規準は説明のしようがありません。実際に試すのが唯一の方法です。茶器は味に良くも悪くも影響するという点を意識し、注意深く茶器選びをすることが必要です。参考までに、銅、亜鉛、マグネシウム、亜鉛、銀はお茶の味に対してマイナスの影響をするのに対し、金、錫、鉄、チタンはお茶の味にプラスの影響をします。

HOJOでは味に意識をして土を選び、茶器を製作しております。以下のサイトをご覧ください。
https://www.hojotea.com/categ/teaware.htm

烏龍茶の保存法

烏龍茶の保存法ですが、常温にて湿度や直射日光を避けて保存してください。
冷蔵庫での保存はお勧めしません。冷蔵庫で保存した場合、外気との温度差により、取り出した際にお茶が結露します。結露したお茶は、数日で酸化してしまい、ヒネ臭を生じますので、冷蔵庫(冷凍庫含む(はむしろ避けるべきです。

理想的な保存方法は無酸素保存です。酸素が無い状態であれば、鮮度が劣化することはなく、10年でも20年でも新鮮な状態を維持することが出来ます。但し、常温で数年以上保存した場合、ワインの熟成と同じく、お茶の香りがよりフルーティに変化します。

熟成はお茶の楽しみ方の1つではありますが、購入当時の香りを保持したいという場合、未開封のまま冷蔵庫に保存してください。未開封であれば結露のリスクがありません。但し、冷蔵庫から取り出したお茶は、24時間は常温に置いたのちに開封することで結露を防止してください。

烏龍茶の熟成方法

ビンテージ茶というと、一般にプーアル茶が良く知られておりますが、実は烏龍茶についても長期保存してビンテージ茶として楽しむ文化があります。長期熟成する目的ですが、香りを花→新鮮なフルーツ→完熟フルーツ→乾燥フルーツへと変化させ、また、長期熟成をすることで、飲んだときのテクスチャーが非常に滑らかになります。但し、後味の濃さ、余韻の長さなど、お茶の品質の本質に関わる部分は、熟成の期間に関係なく変化しません。熟成はお茶の品質を上げるための錬金術ではなく、お茶の個性を変化させる手段だとお考えください。したがって、人によっては、新茶の状態のお茶の方が好みという場合もあります。あくまで、お茶の熟成は好みです。

お茶を理想的に熟成させるためには、無酸素で保存する事が重要です。酸素が無い状態でもお茶の成分ははゆっくりと酸化し、熟成香を生じます。HOJOでは商品をお届けする際には全てのお茶を無酸素の状態でお送りしておりますので、そのまま室温にて保管して頂ければお茶は熟成します。尚、保管環境の温度が高いほど、熟成は早く進みます。

一般的に花のような香りがする台湾の高山烏龍茶も、数年以上熟成すると、桃、マンゴ、杏のような香りへと変化しとても面白いです。鳳凰単叢烏龍茶の場合、長期間熟成すると、ラズベリーのような濃厚な香りへと変化します。

参考出典

茶ポリフェノールの多機能生理作用, 昭和大学薬学雑誌 第4巻 第 2 号
http://www.showa-u.ac.jp/sch/pharm/showa_jour_pharm/back_number/frdi8b000000ilk2-att/iwai.pdf

コレステロール負荷うさぎの血清脂質レベルに及ぼすウーロン茶の影響, 日本家政学会誌 Vol. 39 No. 1 67-70 (1988)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jhej1987/39/1/39_1_67/_pdf/-char/ja

緑茶、烏龍茶、紅茶および普洱茶のラットにおける脂質吸収抑制作用, 日本食品化学学会誌 (日食化誌)、Vo1.20(3),2013 147
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjfcs/20/3/20_KJ00008991783/_pdf

Polyphenol-enriched oolong tea increases fecal lipid excretion, European Journal of Clinical Nutrition (2006) 60, 1330–1336
https://www.nature.com/articles/1602464.pdf

ポリフェノールサイエンスへの挑戦と創造 サントリーホールディングス株式会社
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kagakutoseibutsu/54/9/54_691/_pdf

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