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鳳凰山現地取材レポート : お茶の専門店HOJO

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鳳凰単叢

 

HOJOでは、10種類以上の鳳凰単叢を販売しております。

 

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鳳凰烏龍の紹介

 

中国の烏龍茶というと、福建省武夷山の大紅袍や安渓産の鉄観音が有名です。大紅袍と言えば、中国における高級茶の代名詞でもあり、凄いお茶というイメージが先行します。


但し、福建省の大紅袍の場合、品質にはピンからキリまであります。


大紅袍を初めとする岩茶の場合、樹齢が品質に大きく関係しております。樹齢が高くなるにつれ、根の張りも大きく、それに伴い根の表面積が大きくなり、ミネラルの吸収能力が劇的に上がるためです。

 

老樹から作られた岩茶は、ミネラルを多く含んでおり、ある程度お茶に詳しい人であれば、飲んだ瞬間に品質の違いが分かります。喉越しが非常に強く、厚みのある味わいと、深く強い余韻の残る香りは、若い茶の木や茶園産の茶葉から作られた大紅袍とは全く異なるレベルの品質です。


武夷岩茶の場合、最も古い木で樹齢は400歳ほどと言われております。残念ながら、このような品質を体験するには、常識では考えられない値段を支払わなければなりません。特定の老樹から作られたお茶ともなると、100gが数十万円するのもごく普通です。400歳の大紅袍はおろか、100歳を超える大紅袍ですら、入手は極めて困難といえます。

 

実際、日本を初め海外で入手できる大紅袍の殆どが茶園産もしくは、樹齢が非常に若い木から作られたお茶であり、味の濃さ・香りの深さに欠けます。
プーアル茶 プーアル茶

武夷山周辺に広がる広大な茶園:日本市場で見かける殆どの岩茶はこれらの茶園で作られております。

(武夷山視察時に撮影)

武夷山岩茶の単叢:多くが樹齢50年前後の若い木。これでも、市販価格は1万円/100gを超えます。

 

一方、「広東省潮州産の鳳凰烏龍」というと、世間での認知度は非常に低く、多くのお客様が首をかしげます。しかし、このお茶こそHOJOが自信を持ってお薦めする、銘茶中の銘茶です。鳳凰烏龍茶の場合、常識的な値段で武夷岩茶の非常に高級な茶葉と同じ品質を体験することが出来ます。強い完熟フルーツの香り、深い喉越し、常識的な値段の3つが揃った鳳凰烏龍は、HOJOを代表するラインアップです。

 

HOJOパッケージ

 

私は潮州にある鳳凰山を実際に訪れ、良いお茶を買い付けるために、鳳凰山の麓に1週間滞在しました。以下、鳳凰山で学んだ、鳳凰烏龍の特徴を説明したいと思います。

 

 

1.900年の歴史を持つ、事実上中国最古の烏龍茶

実は、鳳凰烏龍茶は中国最古の烏龍茶で、その歴史は明まで遡ります。古い木になると、樹齢が900年にもなり、最高でも400年の武夷岩茶とは比にならないほどの老樹から作られております。

プーアル茶

写真は樹齢500年近い水仙種の木です。写真の人物は私(北城)です。

 

2.大紅袍と同じ品種

実は、鳳凰山周辺で作られている鳳凰烏龍茶は武夷山における大紅袍と同一、または極めて近い品種と言われております。元々鳳凰山にあったお茶が、福建省に持ち込まれ、植えられたと言う説もあります。鳳凰山のある潮州と武夷山のある福建省は距離的にも非常に近いため、論理的に可能な話です。

また、武夷山でも水仙種が有名ですが、鳳凰山にもまた水仙種があります。鳳凰山の水仙種は古い物になると樹齢が500-900年の木から作られており武夷山とは樹齢が倍ほど違います。この樹齢の違いは品質の違いにも反映されており、鳳凰山の水仙種は香り、喉越し共に非常に突出しているため、全く火を入れずに「清香」タイプに仕上げられます。

 

3.鳳凰烏龍は元祖岩茶

武夷山の岩茶というと文字通り、岩山に生えているお茶です。(現実には、海外で見かける岩茶の殆どが茶園産であるため、本当を言うと岩茶ではありません。)さて、鳳凰山ですが、実は猛烈な岩山です。百聞は一見にしかずです。お茶の木は岩を縫うように植えられております。その厳しい生育環境が、長い根を養成し、良いお茶を生み出す原動力となるのです。

プーアル茶 プーアル茶
鳳凰山は福建省の武夷山と同じく極めて険しい岩山により構成されます。写真は、実はお茶の木が生えている場所です。点々と見える濃い緑色の植物がお茶の木です。

 

プーアル茶

 

4.極めて高い標高

武夷山の岩茶というと、一番高い星村周辺で標高1000m程です。実際、大紅袍を初めとする岩茶が生えている地域は数百メートルの標高です。


鳳凰烏龍は広東省の潮州にある、鳳凰鎮(村)を産地とする烏龍茶です。この烏龍茶は非常に歴史が長く、古い木になると明の時代から生育しており、樹齢が900歳のものもあります。鳳凰烏龍茶は鳳凰山と呼ばれる山で栽培されます。鳳凰山は単一の山ではなく、数々の山から構成される山の集まりです。それらの山々をまとめて鳳凰山と呼びます。名前の由来ですが、複数の山のピークの外観が鳳凰が羽を広げたようであることから鳳凰山と呼ばれるようになりました。


数ある鳳凰山の中でも、歴史的に非常に有名で、高品質のお茶が生産されるのは烏崠山と呼ばれる山です。この山は非常に標高が高く、高い位置になると約1500mあります。烏崠山では、数々の鳳凰山の中でも特に優れたお茶が作られます。高品質のお茶を作るのに適した環境故に、明や宋の時代からお茶が植えられており、樹齢が数百歳〜900歳の木が大量に存在します。HOJOのでは高品質の単叢を求めた結果、烏崠山産のお茶を選んでおります。

プーアル茶

鳳凰鎮から見上げた鳳凰山

 

5.岩韻

岩茶の味を表現するのに岩韻と言う言葉が用いられます。これは何かというと、実際の意味は岩とは関係が無く、「喉韻」つまり、喉越し、香りの深さ示す言葉です。実際、市場で入手が可能な殆どの岩茶の場合、茶園産であるため、この岩韻(喉越し)殆ど感じられません。


それに対し、鳳凰烏龍の場合、老樹の数が圧倒的に多く、武夷岩茶のように高額な金額を出さなくとも、強い岩韻を体感することが出来ます。

 

6.完全放置栽培

鳳凰烏龍の産地である鳳凰山ですが、お茶は世間一般の茶園の様に整然と植えられているのではなく、野生の木の如く、ランダムに生えております。


更に、日本のお茶と異なり、剪定が全く行われません。剪定が行われないとは、つまり、木は一度も切られることなく、野生の木の様にそのまま放置されていると言うことです。

プーアル茶 プーアル茶
樹齢数百年のお茶の木と私(北城)

 


お茶に限らず、どの植物も、枝や幹を切ると、その場所から若い枝が伸びてきます。若い枝は、成長速度が速く、すくすくと伸びるため、木に含まれるミネラルや有機物を吸収し、沢山の茶葉を付けます。この為、茶葉の収穫量は増えますが、当然、一枚の葉当たりの、ミネラルの分け前は減ります。結果として、茶葉に含まれるミネラルの量は薄まり、コクのないフラットな味のお茶になります。剪定が全く行われないお茶は、そのサイズに反して、茶葉の数が少なく、若いお茶の木と比べると明らかに「貧素」な雰囲気すら感じられました。

お茶の生産者が、有る木を指さし、「この木は樹齢が600年で、茶園を所有する家族だけで飲むんだよ」と教えてくれました。そこで、「お茶の葉を一枚摘んでも良いですか?」とお願いしたところ、許可してくれたので、早速茶葉を摘み、噛んでみました。老樹から採れた茶葉は、例え加工がされて無くとも、噛むことでその品質を即感じ取ることが出来ます。香りは喉の奥へスッと流れ込み、その後口の中に甘い香りが暫く対流しておりました。茶園産の普通の茶葉は舌先の部分で渋さが感じられるだけで、奥行きが殆どありません。

鳳凰山の茶木は有機栽培どころか、完全な自然放置型栽培を徹底しており、更に、茶摘みも一年に一度しか行われません。 何度も茶葉を摘むと、剪定と同じく、次から次へと若い茶葉が成長するため、結果的にミネラルが薄くなり、品質が落ちてしまうためです。
徹底した品質へのこだわりと徹底が、深い喉越しと、口の中に何時までも残る鳳凰烏龍茶の香りを生み出します。

 

プーアル茶 プーアル茶
選定が行われないため、枝は自由に好きな方向に伸び、まるで山に自生している植物のような外観をしております。

烏崠山は辺り一面を岩に囲まれており、その合間を縫うようにお茶の木が植えられております。

 

鳳凰山のお茶は「完全放置栽培」と説明しましたが、烏崠山などの銘茶の産地では「放置栽培」なのはお茶だけではありません。
お茶の木の周りに生えている、「山の木」も放置されております。1400mと言えば、美ヶ原や霧ヶ峰高原のように高原地帯であり、各種の灌木が自生しております。
当然これらの灌木を切り落とした方が、お茶の木からすると、「快適」になるわけですが、鳳凰山ではこれら雑木を決して切り落としたりしません。

実はこれには重要な理由があります。
自然に自生している木は、お茶と同様に老木化しておりミネラルの吸収能が高く、葉には高濃度のミネラルが含まれます。
これらの葉が落葉した際、葉は微生物により分解されますが、含まれていたミネラルは、お茶の木によって吸収されます。
つまり、周辺にある自然の木は、お茶に木にミネラルを与える役割をしております。中国では、自然の木を茶園に自生させるという技術は古くから用いられており、本技術は、プーアル茶君山銀針龍井茶、碧螺春の茶園でも見られます。但し、雑草・雑木に一切手を入れずに、完全放置しているのは、私がこれまで見た中では、鳳凰山と雲南省のプーアルくらいです。

プーアル茶 プーアル茶
中心に見える木はお茶の木です。周りを様々な灌木に囲まれており、近づくことすら出来ませんでした。

蔓植物に紛れて生えているのは水仙の木です。

プーアル茶 プーアル茶
若いお茶の木です。周りをクマザサに囲まれた状態で細々と生きておりました。

 

 

 

この考え方は、玉露の作り方にも通じます。玉露でも、本玉露と呼ばれる玉露の場合、プラスチック製の寒冷紗ではなく、藁で被覆が行われます。
藁には豊かなミネラルが含まれているため、雨が降ると、ミネラル分が地面に流れ落ち、それが玉露の木によって再吸収されます。 このため、本玉露の美味しさは、寒冷紗で被覆した一般的な玉露とは比較になりません。

 

7.高品質のポイントは単叢

鳳凰烏龍というと必ず出てくるのが単叢という言葉です。鳳凰単叢とか、鳳凰○○単叢と言う名称で呼ばれるのが一般的です。この「叢」と言う言葉ですが、「樹」という言葉に近い意味ですが、どちらかというと、「灌木」と言う意味の方が適切かと思います。同じ意味に対し、雲南省では「喬木」という言葉が用いられます。


鳳凰単叢とは鳳凰山の特定の選ばれた木から収穫された茶を示します。
高級なお茶も、高級でないお茶も、鳳凰山産であれば、全てが鳳凰単叢と呼ばれますが、実際の所、安価なお茶の場合、全てが茶園産であり、その場合、「単叢」という言葉は当てはまりません。 茶園産の場合、大量生産に加え、ブレンドが行われます。

一般に、電話やメールでサンプルを依頼した場合、入手が可能なのは茶園産のお茶のみです。茶園産のお茶は生産量が非常に多いため、原価も安く、また、均一の品質を繰り返し供給することが出来ます。茶園産の場合、当然単叢ではありません。茶園産でもプロセスが適切に行われていればしっかりと香りはします。しかしながら、樹齢数百年の単叢を一度でも飲むと、その違いは素人でも分かります。老樹で作られた単叢の場合、喉越しが非常に強く、香りが深く、その余韻は30分以上続きます。

 

実際に現地に行かないと、良いお茶が取得できない理由は、2つあります。

 

    1.高級な品質(単叢)になると、限定されたお茶の木から採れた茶葉のみから作られており、1バッチが 数キロから20kg位しかありません。 値段が非常に高く、また、数量が限定されるため、海外向けにサンプルが送られることはまずありません。 海外にサンプルを送っている間に、特定のバッチはさっさと売れてしまうためです。 尚、お茶の木の樹齢が500年を超えるように高級烏龍になると、1バッチが500g程度しか作られないことも普通で、高級茶の多くが大企業の経営者や政府関係者によって買われてゆくそうです。



    2.鳳凰烏龍の品質は非常にピンキリであり、生産者としても、味の分からない相手には高額なお茶を紹介したいと思いません。むしろ、値段が安く、香りが非常に強い茶園産の方が商売に適していると考えております。私が鳳凰村を訪問した際には、良い品質を求めているのだと伝えた物の、生産者は私の言葉を殆ど信用しておりませんでした。試飲を一日行い、必ず買い手の試飲能力をテストします。次々と出される、異なる品質+異なる品種のお茶に対し、どのようなコメントをするかが重要なポイントとなります。こちらの本気度合いと、高品質のお茶を見分けられるだけの能力があると判断した時点で、初めて、生産者は鳳凰山界隈に住む彼の父親に会わせてくれると切り出しました。

     

以上の通り、本当の意味での「鳳凰単叢」を入手しようと思った場合、現地に行き、その場で試飲をし、その場で決断をすることが不可欠です。但し、例え気に入った香りのお茶があったとしても、最大で20kg程度しか入手することが出来ません。高級なお茶になると、1バッチが数百グラムというものもあります。
このため、選んだ品質が売り切れてしまった場合、再び、現地へと行き、一通り手間をかけて選ぶ必要があります。
非常に手間のかかるお茶ですが、手間をかけるだけの品質と感動を伴うお茶であり、今後は毎年鳳凰山を訪れることになりそうです。

 

8.鳳凰烏龍と鳳凰単叢は全く異なる品質

因みに、どのお茶屋さんでも、鳳凰烏龍は鳳凰単叢という名称で販売されております。但し、鳳凰烏龍で海外に輸出されるお茶の殆どは茶園産です。


元々、鳳凰山に植えられていたのは、水仙種と呼ばれる品種だったと考えられております。当時は、お茶を増やすのに挿し木や接ぎ木の技術はなく、全てが種まきにより増やされました。種をまくと、生えてくる子供(F1世代)は、親木とは異なります。更に、その種を更に撒くと、更に異なる品種(F2世代)が出現します。

 

理科で「メンデルの遺伝の法則」を学んだと思いますが、この原理そのままに、次々と、変わった形質をもつ子孫が誕生します。こうして、800-900年前には1-2種類だった鳳凰山のお茶は、交配により様々な香りのお茶が作られ、現在では数百種から1000種のお茶があると言われております。これらのお茶は香り毎に名称が割り振られており、更に、標高や樹齢を考慮し、別の単叢として細かく分類されます。鳳凰烏龍が多種多様な香りがするのはこの為です。


実は同じ事がプーアル茶にも言えます。プーアル生茶の原料は、鳳凰烏龍と同じように複雑交配を繰り返しているため、産地が同じでもお茶の木が異なると香りが異なります。残念ながら、雲南省ではあまり厳密に品種管理が行われておりません。

プーアル茶 プーアル茶
鳳凰山にはお茶の老木が沢山残っており、それぞれの木の香りが把握され、グループ化されており、特定の老木から収穫されたお茶はそれぞれ異なる単叢として販売されております。

樹齢が古くなるほど茶葉の成長は遅くなります。根が吸収したミネラルを独占できるため、非常に濃厚で香りの優れたお茶になります。

 

 

9.殆ど知られていない銘茶中の銘茶

非常に優れた品質の鳳凰烏龍にもかかわらず、鳳凰烏龍はあまり世に知られておりません。逆に何故、福建省の武夷岩茶が非常に有名になったのでしょう?このことは、福建人と潮州人の文化・性格の違いを理解すると何となく見えてきます。

 

余談ですが、一般に中国にお茶を買いに行くと極めて厚い接待が行われます。お茶を買う気がなくても、食事を何度も御馳走されると、非常に申し訳なく思い、「買わねば」と思うのが心情です。


しかし、潮州人は非常に勤勉で保守的な事でも知られ、不思議にも厚い接待は受けませんでした。初日は夕食に一緒に行ったのですが、何と御馳走してくれたのは、魚の練り物がスープに浮いているだけの極めてシンプルな食事でした。「私は次は何か出てくるのかな?」と考えていたところ、「これで終わり。では、お茶の試飲を継続しましょう!」と言われ、とても吃驚しました。しかし、翌朝何点か購入を決めたところ、その日の昼食は手のひらを返したように豪勢な海鮮料理でした。彼らはまた、私が滞在していた間、ほぼ毎日のように夜中の2時位まで働き、翌朝は8時には出社しておりました。マレーシアにおいても、潮州人は働き者と言われており、他にも香港の億万長者である李嘉誠氏も潮州の出身です。


このような堅実な性格の潮州人に対し、福建人は非常にマーケティング能力に優れ、また、福建出身者は移民により世界中に拡散しております。武夷山が世界的に有名になったのは、福建人の気質に関係しているように思えます。
ともあれ、超高品質にも関わらず、現実的な値段で入手できる鳳凰烏龍はまさにお茶好きが理想とするお茶であり、HOJOでは今後更に力を入れて鳳凰烏龍のラインアップを拡充していきたいと考えております。


本ページの写真にあるような、老樹から収穫されたお茶は、一度飲んだら忘れられない感動を与えてくれます。未だ試されたことのない方は、是非お試しください。

プーアル茶 プーアル茶
国家資格をもつ、茶師の林氏。彼の作るお茶は、中国茶葉品評会は勿論、国際茶葉品評会で金賞を受賞しております。写真は国際茶葉展示会の受賞茶を淹れてくれているところ。この茶葉は500gが100万円の値段で売られております。

宋種の老樹前で撮影のタイミングを見ている私(北城)

 

10.鳳凰単叢烏龍茶の淹れ方ビデオ

以下のビデオでは凰単叢烏龍茶の淹れたかを蓋椀の代わりに宝瓶を用いて説明しております。再生マークをクリックしてください。

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11. 加工

萎凋

摘採の後の茶葉は工場に運び込まれ、竹で出来た笊の上に広げられます。その後、茶葉は竹の笊ごと外に運び出され、太陽光にて午後4時から5時まで日光萎凋を行います。その際、茶葉はお互いに重ならないように注意しなければなりません。萎凋は外気温度が35℃以下の時に行われ、気温の違いにより萎凋時間も調節されます。

冷却

日光萎凋の後、茶葉は日陰の室内にて1~2時間冷却されます。茶葉は環境の温度に応じ、異なる厚さに積み上げられます。湿度の低い日は、水分の蒸発を防ぐため、やや厚めに積まれます。室内萎凋により茶葉内の成分は分解し、甘みが増加します。また、成分の穏やかな酸化による香り成分の生成にも寄与します。

発酵

この工程は做青 (Peng-qing)とも浪茶(Lang-cha)とも呼ばれ、これは鳳凰烏龍茶を作る上で最も重要な工程です。

竹製の笊の上に5~6kgの茶葉がのせられます。2人の職人が向かい合って立ち、竹の笊を15回上下に揺らすことで、茶葉を波打たせます。その後、茶葉は回収され、凹型に積まれ、2時間静置します。その後、2回目の做青では茶葉の上下動は30回、3回目は45回行われます。それぞれの做青の後、茶葉は2時間静置されます。4~7回目の做青の作業は竹のドラムで行われます。この場合も、各作業間には約2時間茶葉を静置します。

これらの作業により、茶葉の縁に傷を付け、その部分から酵素発酵による酸化反応を開始します。紅茶と異なり、お茶の葉の縁から徐々に発酵させるため、成分は過度に酸化されず(半発酵)、ゆえに渋みが少なく、甘く、花のような香りのするお茶に仕上がります。

発酵の程度は茶葉から発生する香りの質と強度により調整されます。通常、1-2回目の做青では、茶葉からは青臭い香りが発生します。3-4回目になると、青い香りに加え甘い香りが混じるようになります。そして、5-6回目になり、茶葉からはフルーツのような香りがするようになった時点で、做青の作業は終了します。

釜炒りと揉捻

高温の釜で茶葉を炒ることで、一気に酵素活性を不活性化します。短時間で酵素を不活性化することで、品質の劣化を軽減します。茶葉の温度がまだ高いうちに、揉捻が行われます。揉捻と加熱を交互に行うことで、茶葉が割れることを防ぎます。

揉捻の作業は、手作業により行われます。手で揉みあげながら成形も同時に行います。釜炒りによる水分の減少に伴い、茶葉は徐々に粘度をもちます。これにより、手で持ち上げることが出来るようになり、手で揉みあげながら成形も同時に行います。この工程を通じ、茶葉は水分を20-30%失い、また、揉捻の際に茶葉から染み出した水分は、茶葉表面に付着するため、茶葉は艶を持ち、また、強度も増します。

乾燥

茶葉は烘籠と呼ばれる、竹製の籠で乾燥されます。乾燥には完全燃焼した炭火が用いられます。完全燃焼した炭火は、茶葉に全く煙の香りを付けることなく、からっと仕上げることが出来ます。

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