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忍者の里で知られる三重県の伊賀で素晴らしい性能の天然朱泥を見つけました。 なお、この土は天然土を100%使用しており、非常に多孔性が高いため、使い始めは土表面にお茶じんわりと染み出します。詳しくは、下記の説明をご覧ください。
天然土を専門に扱う業者の協力の元、これまで合計100種類近い原土をスクリーニングしました。その結果、伊賀の山の頂上付近の朱泥層から採取された土が非常に面白い性能を示しました。この土は山の地表近くの腐葉土の下にある厚さ10-20cm程度の非常に薄い朱泥層から採取されました。原土は朱泥特有の黄色い色をしておりましたが、今回入手した土は特に黄色の色合いが濃く、外観からも強い個性が感じられました。ただし、粗めの砂も含んでいたため、それらを除去する工程が必要と感じました。この土を適度に精製し、テストピースを作ったところ、驚くほどに強いボディが感じられました。お茶の香りが広がりがあり、烏龍茶や紅茶をいれたときは期待以上の豊かな香りが感じられました。更に、異なる精製条件で処理した土についてもテストを行い、精製方法の最適化を行いました。(注)朱泥とは原土は黄土色をしており、酸化焼成することで朱色に変化する土をさします。原土の状態で赤い土は中国では紅泥と呼ばれます。)
伊賀の原土(未精製の状態)を焼いたテストピース
前述増したとおり、今回見つけた土は非常に稀少ゆえ、全て買い占めても軽トラック一杯分位しかありませんでした。山から採れた状態のままだと、枯れ草を始め、砂などが混ざっているため、土を更に濾過精製し、粘土に加工する必要があります。このためには専門の精製専門業者に委託し、更に一連の精製を行い粘土状に仕上げます。
精製前の伊賀天然朱泥
精製後の伊賀天然朱泥
全く同質の朱泥による焼成実験:右へ行くほど焼成温度が高い
求める性格の土を捜し出すために、これまでにスクリーニングした各種テストピースの一部
中国では数百年以上前から急須に用いられる土とお茶の味との関係がとても注目されておりました。特に、江蘇省の宜興産の朱泥はその性能の高さから、中国国内はもちろん、世界中のお茶愛好家に知られております。宜興に優れた土があるのは、宜興の作家が優れた鑑定眼を持っていたわけではありません。急須作家は茶器を作る陶芸の専門家ですが、味に関しては専門家ではありません。宜興でよい土が発見され、茶器制作に使われるようになったのは、茶器の価値を理解できる茶人や文化人がいたからこそです。彼らが素材とお茶の味との関係を明確に理解し、より良い物を作家に求め続けたことで優れた土が選び出され、宜興が世界的に有名になりました。宜興は、朱泥が産出するという地質学的な優位性に加え、江蘇省という文化的にも豊なエリアに属します。実際、中国にて他省を回ると、宜興に匹敵する良質の朱泥は至る所で目にします。ただ、いくら良い土が有っても、その土を茶器に加工できる陶芸家、味を評価できる買い手の両者がいなかったら第2の宜興にはなれません。そんな宜興ですが、近年では名声が高まりすぎたために、宜興の名声と作家の名だけが一人歩きしてしまい、昔のような性能の土の茶器はほぼ入手困難な状況となっております。近年流通ではブレンドされた土から作られている作品も多く、昔の宜興の朱泥茶器並みの性能の土で作られた茶器は極めて稀少です。
宜興にて
宜興の土問屋にて
HOJOでは優れた性能(お茶の味が美味しくなる)の急須をプロデュースするためには良い土を捜すことが重要と考えております。土探しと言っても、新しく急須作家を捜すのではなく、文字通り土を探します。土探しをする上で重要な基準はお茶の味への影響ですが、同時に焼き上がったときに急須の機能を支えるだけの強度も必要です。天然土から優れた性能の土を見つけ出すため、HOJOでは多くの土を評価し、お茶の味香りの点で優れた土を探し続けております。
土と味の関係を評価する方法ですが、私の場合、原土を練って、クッキー状のテストピースを作り、会社で所有する電気窯で焼きます。焼き上がったクッキーをお茶に浸すことで、お茶の味や香りの変化を評価します。評価を行う際には、ボディ、コク、渋味など格指標ごとにそれぞれ評価行います。ある程度土を絞り込んだ段階で、土の細かさと味との関係、焼成温度と味との関係等、より踏み込んだテストを行います。
伊賀の天然朱泥は、お茶をいれるとお茶が土の外側にも染み出します。お茶をいれて静置しておくと、急須の表面や底が湿ります。これは伊賀の山でとれた天然の土を使用しているためで、伊賀の天然土の多孔質の性質がゆえの現象です。伊賀の土はもともと琵琶湖の湖底に浸漬した土です。それゆえに土の粒子が粗めで、非常に多孔質になっております。このような性質ゆえに、伊賀や信楽の土は伝統的にに非常に高い温度で焼成が行われております。ただし、高い温度で焼成すると、土の成分が溶けてガラス化するために表面積が減少し、土の性能が発揮されにくくなくなります。急須の有名産地である、中国の宜興にも多孔性の性質を有する土があり、名作と呼ばれる急須の中にも、お茶がじんわりと染み出す作品があります。伊賀天然土の茶器の場合は、使い始めはある程度お茶が染み出します。この点を理解した上で、ご使用していただきたいと思っております。また、経年使用することにより、お茶の成分や水由来のミネラルが浸漬すること土の目がつまり、徐々に染み出しが無くなります。
お茶をいれて放置しておいたところ急須の下半分が湿りました。
土が水を吸いやすい性質ゆえに、お茶をいれ終わった後には、急須の中だけでなく、外側にも沸騰水をかけ、お茶の成分を洗い流してください。一般的な急須の場合、蓋を取ってただ置いておくだけで、翌朝には急須内部が乾燥します。ただし、伊賀天然朱泥急須の場合、水を吸いやすい性質があるため、逆さにして乾燥してください。なお、逆さにした際に、口を完全に塞いでしまうと、水分が内部に残るため、多少空気が通うように一工夫してください。 伊賀天然朱泥の急須はお茶の成分が土の中に残りやすいため、ある程度限定的な種類のお茶に対して使用してください。例えば、プーアル熟茶に対して使用した後に、緑茶をいれた場合、仄かにプーアル熟茶の香りがします。緑茶、白茶、台湾の烏龍茶など、性質がにたお茶に対して共有するのは問題ありませんが、紅茶と白茶、熟茶と緑茶のように全く性質が異なるお茶を1つの急須ではいれない方が良いと思います。ただし、熱湯で中と外と、しっかりと洗浄すれば、ほとんど直前にいれたお茶の香りはなくなるため、多種類のお茶に対して使用されても問題ありません。
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